映画「ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション(The Hunger Games: Mockingjay – Part 2)」

00 ようやく完結編を観ることができました。前作のブログでも記しましたが、この「ハンガー・ゲーム」シリーズ、「ウィンターズ・ボーン」でジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)の演技に驚き、その流れで観はじめてしまった一連の作品です。

第1作目の「ハンガー・ゲーム(The Hunger Games)」を観たのが2012年10月、続く「ハンガー・ゲーム2(The Hunger Games: Catching Fire)」が2013年12月、3作目の「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス(The Hunger Games: Mockingjay – Part 1)」を今年7月に観に行ってます。原作小説を読みましたので、この長さが必要だということは理解できるのですが、1つのストーリーで足かけ3年というのはさすがに長すぎますね。

とはいえ、さすがに完結編だけあって、第1作目と並ぶ完成度の高さです。我慢して3作目を観ておいた甲斐がありました。巧妙な仕掛けを散りばめて飽きさせない、この小説ならではの魅力を反映していたと思います。

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ストーリーは、ほぼ原作通り。邦訳の文庫版でいえば第3巻の下巻に沿って展開します。

まず立ち上がりは、前作の終わりで、スノー大統領のもとから救助されたピーターに、カットニスが襲われた続きから。もちろん主人公が死ぬわけにはいきませんから、カットニスは気管支をいためながらも無事です。ピーターは洗脳が解けず、カットニスを憎み続けています。

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対するカットニスは、故郷の12区のみならずピーターの心まで破壊したスノー大統領への憎しみが募ります。スノーを抹殺すると心に誓いますが、一人でキャピトルに攻め込むわけにはいきませんので、反乱軍の兵士として攻撃に参加するしかありません。

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いろいろな人の思惑が渦巻き、いくつかのドラマが繰り広げられた後、予告編で何度も耳にした"Tonight, turn your weapons to the Capitol!"と、クライマックスに突き進んでいくことになります。

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映画ファンが気になるのは、ゲームオーガナイザーのプルタークを演じたフィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)のことでしょう。ジョン・スラッテリー(John Slattery)が監督した「God’s Pocket」は日本公開されないようですので、これが彼の演技を見る最後の機会になりそうです。前作の撮影終了前に急逝した関係でストーリーに矛盾が出そうなところですが、うまい具合に編集していて、まったく違和感がありませんでした。

ちなみに終盤近く、重要な会議のシーンでプルタークの姿がないのは原作の通りです。ここで集められたのは歴代の勝者で、ピーターもヘイミッチもいますが、ハンガー・ゲームに出場したことのないプルタークは対象外なのです。こういった説明がないのは、観客が原作を読んでいる前提だからでしょうが、もちろん妹プリムローズの件も、ゲイルとピーターとの三角関係も原作通りに決着しますし、猫のキンポウゲ(Buttercup)の登場場面までほぼ同じです。

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主な出演者としては、前作に引き続きコイン首相役のジュリアン・ムーア(Julianne Moore)、エフィー役のエリザベス・バンクス(Elizabeth Banks)、ピーター役のジョシュ・ハッチャーソン(Josh Hutcherson)、ゲイル役のリアム・ヘムズワース(Liam Hemsworth)、ヘイミッチ役のウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)、スノー大統領役のドナルド・サザーランド(Donald Sutherland)が出ています。

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この物語が示唆するものというか、ここで描かれる権力者の行動原理というのは割と一般的なことだと思います。メディア戦略を駆使して対立軸を突きつけ、人々を闘わせる。そうやって人心を収攬しようとする手口にはもう飽き飽きしていると思うのですが、ニュース等をみていると、相変わらず振り回されてしまう人が多くてうんざりさせられます。

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公式サイト
ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューションThe Hunger Games: Mockingjay – Part 2

[仕入れ担当]