映画「華麗なるギャツビー(The Great Gatsby)」

Gatsby0 これで5度目の映画化だそうですが、フィツジェラルドのグレート・ギャツビーを、「ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマン(Baz Luhrmann)監督が手掛けた作品。豪華なキャスティング、贅を極めたギャツビー邸や衣装・小道具、そしてそこで繰り広げられる煌びやかなパーティシーンが見どころです。

ストーリーはご存知の通り、ニューヨーク郊外の通称ウェストエッグで暮らし始めたニック・キャラウェイが、毎晩派手なパーティを繰り広げている謎の隣人、ジェイ・ギャツビーと知り合い、行動を共にしていくうちに彼の真の目的を知り、そして悲劇を見届けるというお話です。

このバズ・ラーマンの映画では、ジェイ・ギャツビーとデイジー・ブキャナン、トム・ブキャナンの三角関係にフォーカスしていますので、たとえば小説の冒頭で語られるニック・キャラウェイの生い立ちにはほとんど言及しませんし、彼とジョーダン・ベイカーの関係にも触れません。

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ですから、ニックが中西部の名家の出身で、田舎暮らしに嫌気をさしてニューヨークの証券会社にコネ入社したことも、ニックとトムがイェール大学の同窓生であることも語られませんので、小説を読んだことのない人だと、ニックは庶民的なサラリーマンで、たまたま従姉妹のデイジーがトムと結婚したので上流階級と付き合っているように見えてしまうかも知れません。

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とはいえ原作を知らなくても楽しめるように作られていますし、何と言ってもこの映画の見どころは絢爛豪華な映像と趣向を凝らした音楽ですので、そういう観点から積極的に楽しむ映画だと思います。

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ジェイ・ギャツビーを演じたのはレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)。最近ではタランティーノ監督の「ジャンゴ」で悪辣な白人を好演していましたが、悪役の方が演技の巧さが際立つ俳優さんのように思いました。

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ジェイが思い焦がれるデイジー・ブキャナンの役は、「17歳の肖像」「わたしを離さないで」「ドライヴ」と、少しずつ深みを増してきたキャリー・マリガン(Carey Mulligan)。彼女が着るミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)デザインのドレスは一見の価値ありでしょう。ちなみにジュエリーはティファニーだそう。

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語り手のニック役は、ディカプリオと子役時代からの付合いだというトビー・マグワイア(Tobey Maguire)。この映画は、ニックのアルコール依存症治療のためギャツビーの思い出を振り返りながら執筆するという小説にはない設定になっているのですが、もしかするとそれはトビー・マグワイアの経歴から着想を得たのかも知れません。

そしてトム・ブキャナン役は「キンキーブーツ」「アニマル・キングダム」のジョエル・エドガートン(Joel Edgerton)。

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そのトムの愛人、マートル・ウィルソンを演じたアイラ・フィッシャー(Isla Fisher)は「お買いもの中毒な私」の女優さんですが、「ボラット」や「ブルーノ」で知られるサシャ・バロン・コーエンの妻としての方が有名かも知れません。

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ついでながら監督のバズ・ラーマンが、ニックとジョーダン・ベイカーが会うシーンのウェーター役でカメオ出演しています。一見、どこかのファッションデザイナーのような風貌の人ですので気をつけていればわかります。

公式サイト
華麗なるギャツビーThe Great Gatsby

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[仕入れ担当]