あ〜、旅に出たい!という渇望感が高まっている方も多いのではないでしょうか。旅は元気の素!早く自由に旅行ができるようになるといいですね。
というわけで、今は行けませんが、次の旅行先の候補におすすめの北スペイン、サン・セバスチャン(San Sebastián)のお話です。

世界屈指の美食の街。フーディだけでなく飲食関係者にも毎年必ず訪れているという人が少なくありません。
サン・セバスチャンはヨーロッパ有数のリゾート地でもあります。陽光降り注ぐ、緑豊かな街は、昔、王族が夏を過ごした避暑地だっただけあって、優雅な雰囲気です。

こちらとこちらのブログではビルバオのお話をしていますが、そのビルバオからバスで1時間半ほど。車窓からの景色を眺めているとあっというまに到着します。
3年前に私が訪れたときは、ちょうど第65回サン・セバスチャン国際映画祭が開催されていました。

街中がお祭りムード。

このブログでも書いていますが、この年、ドノスティア賞という功労賞にはアニエス・ヴァルダ監督と俳優のリカルド・ダリン、モニカ・ベルッチが選ばれています。3人は授賞式に出席するために訪れていたようなのですが、残念ながら街で見かけることはありませんでした。

お菓子屋さんやお花屋さんなど、ウィンドウも映画祭がテーマ。

河口沿いに上映作品のビルボードが並びます。手前に見えるのは、楽しみにしていたのに、結局、日本では劇場公開されなかったダーレン・アロノフスキー監督作品「マザー!」

そしてこちらは、たまたま見かけたアーノルド・シュワルツェネッガー。ファンからサインを求められて、ご満悦な様子。

後日、パリの展示会でドイツ・ミュンヘンの帽子デザイナー、ニッキ・マーカートに話したら、オクトーバーフェスト(Oktoberfest:世界最大規模のビールの祭典)にも出没していたとか。「カリフォルニア州知事も辞めて、暇なのね」というオチがつきました。
ところで、この賞に冠されている「ドノスティア(Donostia)」ですが、バスク語でサン・セバスチャンのこと。バスの行き先など公共の表示では Donostia が使われることが多いのでお気をつけください。
さて、サン・セバスチャンは歩いてまわれるコンパクトな街です。天気の良い日の夕刻にもなると、ビスケー湾に面したラ・コンチャ海岸のビーチはたくさんの人で賑わっています。

混雑を避けるなら午前中がおすすめ。

散歩の途中、ベンチに腰掛けて世間話に興じている地元のご老人。右端の男性のように、サン・セバスチャンをはじめバスク地方では今でもベレー帽(=バスク帽)を被っている男性を良くみかけます。

美しい弧を描くラ・コンチャ海岸を一望できる丘、モンテ・イゲルド(Monte Igueldo)へ。
この洒落た石造りの建物がモンテ・イゲルドの麓にあるフニクラル(Funicular)の駅舎です。

フラニクラルとはスペイン語でケーブルカーのこと。100年以上の歴史を持つ木製のケーブルカーで一気に頂上へ。

天気が良い日の頂上からの眺めは最高です!

帰りは海を眺めながら歩いて降り、モンテ・イゲルドの麓から海岸沿いの遊歩道を歩いていくと・・・

地元出身の彫刻家エドゥアルド・チジーダ(Eduardo Chillida Juantegui)の代表的な作品 Wind Comb(風の櫛)にお目にかかれます。波に洗われ、自然と風景に溶け込んでいます。

美食の街には食に関する専門店もたくさんあります。
老舗の Almacenes Arenzana で購入したこのツゲ(boj)のスパチュラとフライ返しは、堅いのに持った感じが優しくて、とても重宝しています。

そして、いよいよ夜はお楽しみのバル・ホッピング!

バルの多くが旧市街に集まっています。
人気のバルには人が入りきれず、外でおしゃべりしながら、飲んだり、食べたり。

どこのバルもたくさんの人で、一瞬ひるんでしまいそうですが、ぐいぐいっとカウンターまで近づいてオーダーしましょう。

美味しそうなピンチョスがたくさんありますので、つい1軒で食べ過ぎそうになりますが、他のバルにも行けるように少しずつ。

魚介類が多いのも日本人好み。

秋に訪れることがあれば、こちらのブログでもご紹介している Gambara でセップ茸(伊語ではポルチーニ)をご賞味ください。

ご覧の通り地元の人で混み合っています。

採れたてのセップ茸のプランチャには生卵を絡めて。絶品です!

夜の海岸線はロマンチックです。ピンチョスと地元の微発泡酒チョコリでお腹が満たされたら、夕涼みがてら海岸線を散歩するのもいいですね。あちこちでストリートミュージシャンが演奏していたりもします。

明日は、サン・セバスチャンからバスで30分ほどの港町、ゲタリアのお話です。
[仕入れ担当]