彼女が来日するたび必ず行っているリッキー・リー・ジョーンズ(Rickie Lee Jones)のコンサート。今回は2016年秋のビルボードライブ(ブログ)以来になりますが、その前は2013年のビルボードライブ(ブログ)でしたので、ほぼ3年毎に彼女の声を聴いていることになります。
ビルボードライブやブルーノート(その前はクラブクアトロでした)といった小さなライブハウスでのコンサートが多い彼女。今回はオーチャードホールという大箱なので、何か特別な趣向があるのかと思えば、いたっていつも通りでした。彼女の優しい声とピアノやギターのオーガニックな演奏に、マイク・ディロン(Mike Dillon)のヴィブラフォン&パーカッションとクリフ・ハインズ(Cliff Hines)のギターが絶妙に絡み合います。
1曲目は“Weasel And The White Boys Cool”。前夜に行われた大坂公演のスタートも同じ曲だったようですが、2013年のライブもこの曲で始まったとのブログに記していましたので、きっとお気に入りなのでしょう。デビューアルバムの中でもひときわ彼女らしさ溢れる1曲です。今回の公演でも同アルバムから“Easy Money”や“The Last Chance Texaco”といった名曲の数々を演奏していました。
前半はギターを抱えて歌っていたリッキー・リー、“Chuck E.’s in Love”で会場を盛り上げた後、後半はステージ奥のピアノに座って緩急をつけます。主にセカンドアルバムの“Pirates”と5枚目の“Flying Cowboys”あたりから選んでいたようです。
前回の来日時は“The Other Side of Desire”が出たばかりだったのですが、今回のジャパンツアーは6月7日に米国で発売されるアルバム“KICKS”を日本だけ先行リリースしての公演というイレギューラーなスタイルでした。といっても公演直前の発売で聞き込むだけの時間的余裕はなかったのですが・・・。その1曲、Americaのカバー“Lonely People”はここ(Youtube)で聴けます。
彼女は18歳のときカリフォルニア州に移り住んでから、よく知られているようにトム・ウェイツと同棲したり、ずっと西海岸で暮らしてきたわけですが、数年前にL.A.からニューオリンズに引っ越したそうです。音楽に溢れた街で、今回の新譜も地元のミュージシャンを巻き込んで製作したと言っていました。
“KICKS”は名盤“My Funny Valentine”や“Pop Pop”の系譜に連なるカバーアルバムですが、来年にはオリジナル曲の新アルバムをリリース予定だそうです。その頃また来日したいと言っていましたので、楽しみです。
[仕入れ担当]