日本のナショナルミュージアムによる合同展です。2010年の「陰影礼讃」、2015年の「NO MUSEUM, NO LIFE?これからの美術館事典」(→ご紹介ブログ)に続く第3弾となる今回は〝眠り〟がテーマ。時代やジャンル、地域などの垣根を越えて選ばれたアーティスト33名による作品120点あまりが一堂に会します。

7つの章に分けられた会場で、ゴヤの版画を皮切りに〝眠り〟にかかわる作品の数々が紹介されます。
日本各地の海や湖に入り、波間に揺られながらシャッターを切った楢橋朝子氏の写真《half awake and half asleep in the water》シリーズは、心地よく水面に浮かんでいるようで、沈んでいくような感覚もあり、生死の境界を暗示しています。三島由紀夫の演説をモチーフにした森村泰昌氏のビデオ《なにものかへのレクイエム》は、政治に無関心で目を閉じた人々への批判をパロディで表現。
会場内は、寝室のカーテンを思わせる布やグラフィックデザインがあしらわれていて〝眠り〟の世界に引き込まれていきます。

展示会場の雰囲気が楽しめる3DVR(→こちら)には本展のメインビジュアルや会場構成、製作に関わった方々のインタビューも収録されていて必見です。
本展の前に開催されていた「ピーター・ドイグ展」(→ご紹介ブログ)で使われた壁が本会場でも活用されていることや、眠りと目覚めのあいだで揺れ動くさまを表現したタイポグラフィについてなど、なかなか聞くことのできない裏話やアイデアが語られています。
眠り展:アートと生きること
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/sleeping/#section1-1
2021年2月23日(火・祝)まで
[店長]