パリに滞在中、ブラッサイの写真展に続き、ポンピドゥー・センターでブレッソンの写真展を観てきました。
20世紀を代表するフランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)が95歳で死去してから今年で10年、それを記念した大回顧展です。展示作品が500点にのぼる本展では、写真のほか、絵画やデッサン、映画や文章など、幅広い視点でキュレーションされています。
ブレッソンは子ども時代、画家を夢見ていたそうで、展示の最初のパートでは、10代の頃に描いていたという絵画がたくさん展示されていました。
そして最後は晩年に描いたポートレイトのデッサン。ブレッソンによると、写真が即時反応(immediate reaction)であるのに対し、絵画は瞑想(meditation)なのだそうですが、偉大な写真家の大回顧展が、絵で始まって絵で終わるというのも構成の妙ですね。
また彼にとって、モノクロ写真は芸術表現(artistic expression)、カラー写真は記録(documentary)であり職業的義務(professional obligation)だそう。だからか、カラー作品があまり重視されていなくて、展示がスライドだけというのも面白いと思いました。
モナドの[仕入れ担当]はこのブログで書いているように、ブレッソンの展覧会には何度も行き、写真集を何冊も持っているのですが、そんな彼女も「すごかった、来て良かった」と夜まで言い続けるほど充実した展覧会でした。
私は圧倒されて今ひとつ消化しきれなかったので、もし日本に巡回展がやってきたら、もう一度、じっくり見に行きたいと思っています。
Henri Cartier-Bresson Expositions
ポンピドゥー・センター Centre Pompidou
2014年6月9日(月)まで
[店長]