映画「抱擁のかけら(Los Abrazos Rotos)」

Losabrazos1 明日はバレンタインデーですので愛の映画のお話でも、と書きながら、以前も同じようなことを書いたような・・・とチェックしてみたら、去年もペネロペ・クルス(Penélope Cruz)の映画のお話を書いていたんですね。ペネロペとバレンタインは相性が良いのでしょうか?

ということで、ペドロ・アルモドバル監督(Pedro Almodóvar)の最新作、「抱擁のかけら」を観てきました。何しろ、大好きな「ボルベール(Volver)」に続く、アルモドバル×ペネロペの作品です。スペインから帰国したら、何がなんでも観に行こうと心に決めていた一作でした。

経済的な事情で大金持ちの愛人になった女性(ペネロペ)が、女優になりたいという夢をかなえるためにオーディションを受けに行って監督と恋に落ち、女性と監督が大金持ちに復讐されるという過去の出来事を、現在の視点でなぞっていくストーリー。登場人物それぞれの思いが絡み合う複雑な人間関係、父子の確執、同性愛、老いらくの恋といったさまざまなテーマがちりばめられていて、ヨーロッパ的な味わいの映画でした。

もちろん、最大の見どころはペネロペの美貌。映画のオーディションでウィッグを試すシーンなど、まるで彼女の魅力のショーケースのよう。またアルモドバル監督が自ら選ぶというファッションも見逃せません。印象的な赤いドレスはジョン・ガリアーノだそうですが、エンドロールには一流ブランドの名前がぞろぞろ出てきます。

ちなみに下の写真は劇中劇「謎の鞄と女たち(Chicas y Maletas)」の1シーンですが、衣装はピエール・カルダン。その下の写真の全身アクセサリーはシャネル。ルブタンの赤いパンプスも象徴的に使われていました。どこで何を着ていたかチェックしながら観るのも楽しいかも知れません。
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そして映像の美しさ。アルモドバル映画らしい鮮明な赤はもちろん、映画のキーになるランサローテ島(Lanzarote)のシーンの美しさは感動的です。
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あまりにも素晴らしかったのでちょっと調べてみたら、撮影監督のロドリゴ・プリエト(Rodrico Prieto)は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(Alejandro González Iñárritu)の「アモーレス・ペレス」「21グラム」「バベル」、アン・リー監督(李安)の「ブロークバック・マウンテン」「ラスト、コーション」といった作品を手掛けてきた人だそう。さすがにすごい人を選んでいます。映像美に酔えるのもアルモドバル映画の楽しみのひとつですね。

公式サイト
抱擁のかけらLos Abrazos Rotos

[仕入れ担当]