2017年10月にモロッコにオープンした“イブ・サンローラン美術館 マラケシュ”(Musée Yves Saint Laurent Marrakech)。
同年同月に“イブ・サンローラン美術館 パリ”(Musée Yves Saint Laurent Paris)もオープンしていますが、こちらは、このブログでご紹介したピエール・ベルジェ = イヴ・サンローラン財団と同じ場所です。
マラケシュのイブ・サンローラン美術館は、イブ・サンローラン通り(Rue Yve Saint Laurent)と名付けられた通りにあります。
設計はフランスの建築事務所 Studio KO によるもの。The Red City と呼ばれるマラケシュの街に溶け込む設計です。
テラコッタのブリックを積み上げたような外壁は洋服の素材感から着想したそう。
サボテンなどの植物がふんだんに植えられています。
陽光を活かしたエントランスロビー。アーシーな外観に反して、館内はクリーンでカラフルです。
建物内のパティオは、水が流れているわけではないのに、瑞々しいオアシスのイメージをエナメルレンガで創り上げています。
サンローランとベルジェが初めて一緒に購入した作品で、ベルジェが売りに出さなかった唯一の作品といわれる鳥の彫刻が飾られていました。
メインとなる YVE SAINT LAAURENT HALL には、1962年から2002年の40年間にわたるクリエイティブワークの代表作が一挙展示されています。モロッコに魅せられ、多大な影響を受けたことがわかります。
残念ながらホール内は撮影禁止ですので図録の写真です。
年代ではなく、テーマやストーリー毎に展示されていて、興味深く観ることができます。また、アクセサリー類も素晴らしく、何から何までため息ものです。
ロビーには、サンローランのミューズたちの写真が飾られています。右端の上は懐かしいイザベル・アジャーニの写真です。
サンローランのミューズと言えば、やはりこの方、カトリーヌ・ドヌーブ。フランス大女優の貫禄です。1988年春夏オートクチュールで、ゴッホへのオマージュ(→原画)として制作されたアイリスのイブニングジャケットは、カトリーヌ・ドヌーブだからこそ着こなせる、という感じでしょうか。
一世を風靡したサファリルックもかっこいいですね。
オーディトリアムでは、サンローランのデザイナーとしてのキャリアを振り返る映像を見ることができます。こちらでも概ねのことは分かりますが、もしご興味があり、お時間があるようでしたら、公開されている映画のどれか1本でも観てから訪れると、さらに理解が深まると思います。このモナドのブログでも3本の映画をご紹介しています。
- イヴ・サンローラン(L’amour fou):2011年公開
- イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent):2014年公開
- SAINT LAURENT/サンローラン:2015年公開
そして、美術館と一緒に絶対訪れたいのが、有名なマジョレル庭園(Jardin Majorelle)。
ジャック・マジョレル(Jaques Majorelle)が絵画制作を行っていたスタジオを1980年にサンローランとベルジェが買い取り、現在では財団が運営しています。
マジョレルブルーと言われる鮮やかなブルーと、自然の緑のコントラストが実に美しいです。
園内にサンローランとベルジェのメモリアルもあります。
2人は日本文化にも造詣が深く、サボテンに混じって、京都の嵐山を彷彿させる竹林があったり、池に泳いでいる錦鯉は日本から取り寄せたものだそうです。
このマジョレル庭園には、サンローランが毎年クライアントに送っていたグリーティングカードのイラスト“LOVE”を展示している小さなギャラリーもあります。
また園内に併設されているベルベル美術館(Berber Museum)は必見でしょう。600を超えるベルベル人の伝統的な衣服や装飾品、道具類が展示されていて圧巻です。
サンローラン美術館のブックショップで買った美術館の図録とLOVEの画集。
イブ・サンローラン通りには、この美術館と庭園の他、洒落たカフェやショップも点在しています。一日かけてゆっくり過ごすのに良いところです。
根津の店舗は1月4日(金)までお休みいたします。また、イベント出店のため1月7日(月)から2月8日(金)までお休みいたします。ご不便をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。通販や商品についてはメール(shop@monad.jp)またはLINEトークでお問い合わせください。
[仕入れ担当]