年明け1/11(月・祝)まで上野の西洋美術館で開催している「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」を観てきました。
地中海地域の古代文明がもたらした黄金の傑作を、金にまつわる神話をモチーフにした絵画と合わせて紹介する本展は、ブルガリアのヴァルナ遺跡から発見された6000年以上も前につくられたという世界最古の金製品と、古代ギリシャの英雄イアソンが金の羊毛を手にする神話からスタートします。
スペイン国王フェリペ4世の依頼でマドリード郊外の狩猟館に飾るために描かれた絵画《金の羊毛を手にするイアソン》、今から90年程前にブルガリアの小さなぶどう畑で発見された総重量12kgを超える《ヴァルチトラン遺宝》など見所はたくさんありますが、中でもエトルリア人が手掛けたグラニュレーションといわれる粒金細工が見事です。
イタリア半島でローマ帝国が栄える遥か昔、トスカーナ地方で隆盛を極めたエトルリア人は、工芸に秀でた民族だったそう。最小のものは0.15mm未満という小さな金の粒で模様を描いた作品は、現代の技術をもっても再現は難しいといわれています。
無数の粒金が敷き詰められた飾り板、頭に飾るディアデマ、マントなど衣服を留めるフィブラ、ブッラと呼ばれるお守りなど、精巧で美しいエトルリアの粒金作品は必見です。
黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝
http://www.tokyo-np.co.jp/gold/
2016年1月11日(月・祝)まで
[店長]