これは凄い!と噂になっている村上隆の五百羅漢図展へ行ってきました。日本初公開となる高さ3メートル、全長100メートルにも及ぶ五百羅漢図をはじめ、約30点もの最新作が並び、若い頃のインタビュー映像も観られる展覧会です。
五百羅漢は、お釈迦さまの教えを広めるため修行によって煩悩を拭い去り、人々を救うためにこの世にとどまっている聖人たち。ひとりひとりにキャラクターを設定し、表情や袈裟の文様まで描き分け、東西南北をつかさどる四神(白虎、青竜、玄武、朱雀)のパートで構成した現代の羅漢図を創り上げています。
赤い炎をバックにした白虎のパートでは、220もの羅漢が登場。
海を舞台に繰り広げられる青竜のパートでは、伊藤若冲へのオマージュ「白いクジラ」が描かれています。
北方をつかさどる玄武のパートの羅漢たちは、合掌して祈るポーズが基本。
宇宙を背景にした朱雀のパートでは、カンフーのポーズをとる小さな羅漢がいますが、村上氏が自らとったポーズをモチーフにしているものもあるそう。
《五百羅漢図》を描くきっかけとなった雑誌連載の「ニッポン絵合せ」についても紹介しています。美術史学者の辻惟雄氏が、狩野永徳や伊藤若冲といった絵師について書くエッセイをお題とし、村上氏が新作で応えたという21番。
こちらは、ニッポン絵合せ5番の《絵難房》です。村上氏の「スーパーフラット」に悪口雑言を浴びせた某評論家を“現代の絵難房だ”と応援する辻氏に対して、“絵難房は辻先生です”と応える村上氏。されこうべの絵の中に辻氏を埋没させてしまいました。
いまの村上隆を体感できる贅沢な展覧会。四神がお出迎えしてくれます。
村上隆の五百羅漢図展
http://www.mori.art.museum/contents/tm500/
2016年3月6日(日)まで
[店長]