パリ装飾美術館 Déboutonner la mode 展

買付けで展示会をまわる前に、今年もまた装飾美術館に行ってきました(昨年のブログ)。

現在、世界中から集められた3,000点を超えるボタンコレクションを通してファッションの歴史を紹介する Déboutonner la mode 展が開催中です。

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エナメルやビーズで装飾されたボタン、ウッドやレザーなどで動植物を模ったボタン、シェルやセラミックに風景や人の顔を描いたボタンなど、衣服をとめる実用的なものから、趣向をこらしたものまで、素材やモチーフもさまざまです。

18世紀ころから、ベストやコートなどの紳士服を飾るボタンが数多くデザインされるようになりました。産業革命により衣服が大量生産されると、上流階級の人たちは身分の違いを示すため、背中側にボタンがあしらわれた服など、ひとりでは脱ぎ着できないものを好んで着用したそうです。

下の写真は、装飾的なボタンがずらりと並ぶブーツと、そのボタンを掛けてとめるのに使われたボタンフック。19世紀後半から20世紀初頭にかけて流行したものです。

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会場には、フランスのボタン作家 Henri Hamm(1871-1961)の作品900点や、ポール・ポワレやクリスチャン・ディオールといったメゾンのコレクションを含む100点あまりの衣装の展示もあり、見応え充分の展覧会でした。

DÉBOUTONNER LA MODE
http://www.lesartsdecoratifs.fr/
装飾美術館 Les Arts Décoratifs
2015年7月19日(日)まで

[店長]