映画「ゼロ・グラビティ(Gravity)」

Gravity0 話題の映画ですね。多くの媒体で紹介されている通り、迫力ある宇宙空間の映像と、サンドラ・ブロック(Sandra Bullock)の迫真の演技に圧倒されます。

3D映像を大スクリーンで観てこそ価値ある作品ですので、ご自宅や機内で観賞という選択肢はあり得ません。映画館に行くか、観ないかの二択の映画だと思います。

映画のストーリーは非常にシンプルで、サンドラ・ブロック演じるライアン・ストーン博士が宇宙空間でトラブルに見舞われ、その危機的状況をいかにくぐり抜けていくかというもの。

医療技術者であるストーン博士と、ジョージ・クルーニー(George Clooney)演じるマット・コワルスキー宇宙飛行士が、宇宙空間で作業を行なっていると、船内に避難するようにヒューストンのミッションコントロールから指示されます。ロシアが自国の衛星を破壊したときに発生した宇宙ゴミが、2人がいるシャトルに向かっているとのこと。

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すぐに宇宙ゴミが到来し、シャトルが破壊され、他の乗員も全滅します。彼ら2人だけが宇宙空間に取り残されたわけですが、ベテランのコワルスキーの考えで、比較的近くにいたソユーズに向かうことに。

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しかし、ソユーズ到着時にコワルスキーも失い、その後は、6ヶ月間の訓練を受けただけのストーン博士が、たった1人でサバイバルしていくことになります。

この映画のすごいところは、声の出演を除き、登場人物がこの2人だけということ。その1人であるジョージ・クルーニーも前半でいなくなってしまいますので、後はサンドラ・ブロックの独り芝居ということになります。

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わたし自身、最近は「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」でしか観ていませんので、こういうタイプの女優さんだと思わなかったのですが、アカデミー賞を噂されるのも納得の熱演でした。特に酸素が少なくなって息苦しくなっていくシーンなど、観ている側も一緒に喘いでしまいそうになります。

また、映像の素晴らしさは期待以上でした。

アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuarón)というと、個人的には「天国の口、終りの楽園。(Y tu mamá también)」の監督であり、弟が監督を務めた「ルドandクルシ」のプロデューサーであって、こういうSF大作をリアルな3Dで撮る人だというイメージがなかったので、印象が変わりました。

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多くの宇宙飛行士からも、リアリティある映像だと評価されているようですね。英国のShepperton Studiosで撮ったそうですが、サイトを見る限り何の変哲もないスタジオで、どうしたらこういう映像が撮れるのか不思議で仕方ありません。

蛇足ながら、メキシコ人の監督ですが、映画は全編英語です。スペイン語が出てくるのは、エンドロールに"a mi mamá, gracias"(ママへ、ありがとう)と表示されるのと、サンドラ・ブロックが中国の宇宙船で"No hablo Chino"(中国語しゃべれない)とつぶやく程度です。

3D映画ですし、宇宙空間で振り回されると聞いて、観ていて頭痛になるのではと心配していたのですが、眩暈がするような映画ではありませんでした。ただ、とても混雑していますので、もし中央の席が取れないと事情が変わってくるかも知れません。

公式サイト
ゼロ・グラビティGravity

[仕入れ担当]