パリの買い付けブログは、例に漏れず食べ物のお話ばかりになってしまいましたが、まだフレンチレストランが登場していませんでしたので、最後にサンポール寺院裏のCRUをご紹介して締めとします。
ビオ系といっても、先日のブログで書いたPOUSSE-POUSSEのような医食同源的な献立とは違い、いわゆるフレンチのメニューをオーガニック野菜などで作っています(メニューはお店のblogに載っています)。
前菜に頼んだのが、焼き野菜のサラダ。グリルしたカブやラディッシュ、リークやエシャロットを盛合せ、黒オリーブを潰したドレッシングがかけられています。ドレッシングに、黒オリーブの微塵切りを軽く焦がして混ぜ込んでいるのがポイント。ちなみに写り込んでいるロゼはFontsainteのGris de Grisです。
これはアーティチョークのスープ仕立て。この店のシェフはマダガスカル出身の中華系フランス人なのですが、その出自に関係するのか、微かにクミンを使ってオリエンタルな風味に仕上げています。
そしてイベリコ豚のプランチャ。表面はカリッとしていますが、中身は薄いピンク色です。店名のcruというのは英語でいえばraw。この店のメニューは、タタキのような生っぽいメニューが多いのも特長です。オーガニック野菜のサラダが添えられます。
そしてビストロ料理の定番、アントルコート。フライドポテトを添える代わりに、ハーブオイルをかけながらオーブンで焼いた新ジャガが別皿で供されます。
お料理もおいしかったのですが、おぉっ!と思ったのがパンのおいしさ。ホテルの朝食ビュッフェでも全粒粉のバゲットを気に入って食べていたのですが、風味がぜんぜん違います。やはりパリのおいしいバゲットは、格段においしいものです。
場所柄か、ファッション関係のお客さんが多いようですが、騒がしいこともなく、ちょっとした本棚があったり、80年代の音楽がかかっていたり、シックな内装とリラックスした雰囲気が心地よい店です。
80年代の音楽といえば、このブログで書いたMerciやARTAZART書店の店内でもかかっていましたし、展示会のDJもガンガンかけていましたので、きっとすごく流行っているのでしょう。展示会のブースの間を同世代のバイヤーがハミングしながら闊歩しているのも微笑ましい光景でした。
これでパリのお話は終わりです。
[仕入れ担当]