ティッセン・ボルネミッサ美術館「マティス展」

Thyssen_1 マドリード滞在中の日曜日、ティッセン・ボルネミッサ美術館で開催中のマティス展(Museo Thyssen-Bornemisza, MATISSE:1917-1941)へ行ってきました。

午前中の方が空いているだろうと気軽に出掛けて行ったのですが、考えることは皆同じ。美術館はたくさんの人でごったがえしていて、時間を区切ったセッション制になっているマティス展は、既に午前の部のチケットは完売。仕方がないので午後4時からのチケットを購入して出直すことに。

午後も遅くなると混雑も随分と落ち着いていて、ゆっくりと鑑賞することができました。今回の展示会は1917年から1941年まで、世界史でいうと第1次世界大戦の終盤から第2次世界大戦の初めまでにあたりますが、マティスの生涯でいうと中期の作品にスポットをあてているものでした。

規模はそれほど大きくないものの、これまで目にしたことがない作品も多く展示されていて、とても見ごたえがありました。マティスの作品の大胆な構図と色使いが純粋に好きです。村上隆が幻冬舎から出したに「ピカソはド根性物語をやり通しただけだけど、マティスは天才にしか見えない何かを見たはず」と書いていて、プロの視点は面白いなぁと思って読んだことを思い出しました。マティスが天才かどうか、私にはわかりませんが、彼が全身全霊を注いで創り上げたという南仏のヴァンスにあるロザリオ礼拝堂へは近いうちにぜひ訪れてみたいと思います。
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ティッセン美術館へ行ったもうひとつの目的は、エレナ・カンセル(Elena Cáncer)の作品を観ること。彼女がティッセン美術館のために制作した新作は、スペイン国内の新聞でも紹介されていました。総勢約10名のデザイナーが、ティッセン美術館収蔵の作品からインスピレーションを得て制作した作品が、ミュージアムショップの入口手前のガラスケースで展示・販売されていました。エレナの作品は前にブログでご紹介した4作品。ひいき目かもしれませんが、エレナの作品がもっとも存在感があり、多くの人たちを惹きつけているような気がしました。
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ティッセン美術館の作品はエクスクルーシブなものなので、しばらくの間は一般販売できないのですが、同時に制作した候補作が1点だけ、今秋、モナドにも入荷予定です。非常に貴重な作品ですのでどうぞご期待ください。

夏休みにマドリードへ旅行で行かれる方も多いと思います。マティス展は9月20日まで開催されていますので、ぜひ、ティッセン美術館へも足を伸ばしてみてください。

[仕入れ担当]