いま上野界隈を騒がせている「クリムト展」に行ってきました。19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトの作品、日本では過去最大級となる油彩画25点以上が観られます。
とにかく、たくさんの女性が登場する本展。鮮やかな黄色を背景にカラフルなドレスを着た《オイゲニア・プリマフェージの肖像》、すっきりとしたモノトーンで描かれた《白い服の女》、毛皮や市松模様のドレスがモダンな《女ともだちⅠ(姉妹たち)》など実に多彩です。
生命の円環をテーマにした《女の三世代》、原寸大で複製された壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の展示には圧倒されます。
クリムトのデザインを参考に弟ゲオルクが制作した鍛金のレリーフ《踊り子》も必見です。家具の装飾として制作されたもので、妖艶なドレスをまとった立ち姿の女性が描かれた作品。彫金師として活躍していたゲオルクは、クリムトのデザインを元に彼の作品を飾る額縁も制作しています。
赤い色鉛筆を使って描かれた《左向きに立つ裸婦》や《うずくまる二人の女性》、公に発表するのは当時ご法度とされた性的な描写の《横たわる恋人たち》など、クリムトは生涯で数千点ものドローイングを残したそうです。
戦火で焼失してしまい、現存するクリムトのスケッチブックは3冊のみですが、そのうちの1冊が展示されています。
《ユディトⅠ》や《鬼火》の素描が残された小さな手帳サイズの《赤いスケッチブック》。これを模したメモ帳が、会場最後にあるショップで売られています。
クリムト展 ウィーンと日本1900
https://klimt2019.jp/
2019年7月10日(水)まで
[店長]