2017〜2018年にかけてニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で開催された「日本の竹工芸:アビーコレクション展」を再構成した展覧会です。世界屈指の美術コレクターであるアビー夫妻が収集した竹工芸と、当工芸館が所蔵する紬織着物や墨竹図などの近現代工芸の名品が共に並びます。

日本に自生する竹は600種類以上。西日本に生える竹は柔らかく、しなる性質があり、東日本の竹はより固く、九州の竹は水分を多く含んでいるそう。伝統的な竹の割り方にも違いがあり、地域ごとに名匠を紹介しています。

初代・早川尚古斎の作品、1880-90年代頃に制作された《山高帽》は、明治時代随一の歌舞伎役者、9代目市川團十郎が好んだそう。

長倉健一氏が手がけた2018年制作《花入 女(ひと)》は全長180センチ以上。しなやかな佇まいに魅了されます。

ニューヨークのアビーコレクションだけでなく、昨年パリのケ・ブランリ美術館(Musée du quai Branly)でも竹工芸の歴史と作品が紹介される企画展が開催され、今年のミラノ・デザインウィークでは、スペイン王室御用達のメゾン LOEWE が世界各国の籠に着目した作品を発表し、そのプロジェクトに日本の竹工芸作家も参加するなど、アートとして国際的に関心を集めている竹工芸の名品の数々、必見です。
竹工芸名品展
https://www.momat.go.jp/
2019年12月8日(日)まで
[店長]