ルドン – 秘密の花園 三菱一号館美術館

19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家オディロン・ルドンの展覧会です。“植物” をテーマに、オルセー美術館やニューヨーク近代美術館などから集めた約90点の作品で構成されています。

Redon_1

キャリアの前半に多く描かれたのは “黒” の作品。友人と旅したスペインの風景を描いたエッチングや、人間の頭部をもつ植物を描いたリトグラフなど、ルドンが最も本質的な色だと語っているモノクロームの世界で表現されています。

Redon_2

色彩豊かなパステル画を描き始めたのは、結婚後、家族が増えてからだそう。
鮮やかな青が印象的な三菱一号館美術館所蔵の《グラン・ブーケ》は、ルドンのパトロンとして作品を収集していたロベール・ド・ドムシー男爵が、ブルゴーニュ地方に居を構えるにあたり依頼した装飾画の1つです。

天井高さが4メートル以上もある城館の大食堂に飾られたもので、暖炉や扉、庭に開かれた大きな窓に合わせて計16点の絵画が制作されました。本展では、ナナカマドの赤やミモザの黄色を鈍い発色で表現したオルセー美術館所蔵の15点を含む16点が一堂に揃います。

Redon_3

ほかに植物学者のアルマン・クラヴォーなどルドンに多大な影響を与えた人物たちを紹介する貴重な資料や、ルドンの下絵で制作されたゴブラン織りの衝立や肘掛け椅子など装飾プロジェクトのコーナーも必見です。

ルドン – 秘密の花園
http://mimt.jp/redon/
2018年5月20日(日)まで

[店長]