16世紀末から17世紀初頭にかけてローマ皇帝となったハプスブルク家のルドルフ2世。芸術文化を愛し、天文学や科学、占星術や錬金術などにも関心を持ち、世界中から絵画や工芸品、天文道具や鉱物、動植物などあらゆるものを徹底的に収集した史上最強のコレクターとして知られています。
ウィーンからプラハに宮廷を移した後、その膨大な数の絵画や彫刻など美術品を、自分の居室から直接観に行けるよう部屋を増設・改装したそうです。そんな皇帝のプライベートミュージアムを垣間見ることができる展覧会です。
動物園や植物園を所有していたというルドルフ2世、およそ60もの果実や野菜、花で皇帝の肖像画を描いた《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》のジュゼッペ・アルチンボルドや、幻想的な風景の中の動物たちを描いた《2頭の馬と馬丁たち》のルーラント・サーフェリーといった宮廷画家たちを寵愛していました。
展覧会のエピローグで紹介されている美しい工芸品はため息ものです。
《象の形をしたからくり時計》は、時が来ると象の目が動き、背中に乗った兵隊たちがくるくると回ったそう。
ほかにメノウやアメシストで飾られた《蓋つきの杯》やカルセドニーでつくられた《匙》、ダチョウの脚をかたどった《貝の杯》などがご覧になれます。ルドルフ2世が築き上げた “驚異の部屋” へ出掛けてみてください。
神聖ローマ皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/
2018年3月11日(日)まで
[店長]