20世紀を代表する彫刻家、アルベルト・ジャコメッティの大回顧展です。
代名詞ともいえる細く長く削がれたフォルムの作品から、アフリカやオセアニアの彫刻、キュビズムの影響が伺える初期の作品まで、フランス・ニースにあるマグリット&エメ・マーグ財団美術館のコレクションを中心に彫刻、油彩、素描、版画など約130点がご覧になれます。
会場入り口に置かれた女性立像「大きな像(女:レオーニ)」や、長い鼻と大きく開いた口、くぼんだ目元が特徴的な「鼻」も見所ですが、晩年の大作「歩く男Ⅰ」「大きな女性立像Ⅱ」「大きな頭部」の3点が本展の目玉になっています。
展示方法もユニークです。壁をくり抜いたスペースに数センチの小さな像を置き、その向こうに見える別会場の高さ2.76メートルの像と対比するなど、遠くのものは小さく、近くのものは大きく、見えるものをそのままに表現するというジャコメッティの目線を表しているかのようです。
ストイックな制作スタイルで知られるジャコメッティ。モデルは長時間にわたって動くことを許されず、ずっとアトリエにこもったままポーズをとらされていたそう。
スイスの写真家エルンスト・シャイデッガーが撮影したアトリエでの姿、気晴らしに訪れたカフェで即興的に描いたといわれるデッサン、モデルのひとりで1956年から61年にかけて交流のあった日本人哲学者・矢内原伊作とのエピソードなどからジャコメッティの素顔にも迫ります。
ジャコメッティ 展
http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/
2017年9月4日(月)まで
[店長]