東京都美術館で開催中の「バベルの塔」展に行ってきました。15世紀後半から16世紀にかけて栄えたネーデルラント美術の変遷を、絵画、版画、彫刻の約90点でたどる展覧会です。
本展の目玉であるブリューゲルの油彩《バベルの塔》は24年ぶり、ブリューゲルが手本としていたヒエロニムス・ボスの油彩《放浪者》と《聖クリストフォロス》は日本初公開となります。空想の世界を写実的に描いた作品の数々は、とてもユニークです。
壮大な構図と美しい色彩で描かれた《バベルの塔》。オリジナル絵画に近寄って細部まで観察するのは難しいかも知れませんが、関連企画の「Study of BABEL」では、東京藝術大学COI拠点が制作した拡大複製画と立体化した塔を間近から観ることができます。
原画を300%拡大させた複製画は、科学分析結果をもとに支持体の板の質感や筆のタッチ、使われている絵具まで精緻に再現したそうです。
下の写真が立体化された塔ですが、高さ3メートル30センチもあります。この制作には約20名が関わり3ヶ月を要したとか。
塔の中には面白い仕掛けがあります。デジタル映像で働く人たちをユーモラスに表現しているのですが、会場にあるタブレットで顔を撮影すると、私たちも塔の中で働く1人になれます。ぜひチャレンジしてみてください。
6月16日(金)と30日(金)は、夜間開館時に東京都美術館から拡大複製画と立体化された塔のあるギャラリーまで、バベルの塔を模した灯りが並び明るく道を照らします。
バベルの塔 展
http://babel2017.jp/
2017年7月2日(日)まで
関連企画:Study of BABEL
http://innovation.geidai.ac.jp/information/170418/
会場:東京藝術大学COI拠点 Arts & Science LAB. 1F エントランスギャラリー
2017年7月2日(日)まで
[店長]