1960年代中頃から70年代にかけて社会を彩った「パロディ」に焦点をあてた展覧会です。絵画やイラストを中心に、伊丹十三が企画・出演しているテレビ映像や、オリジナルに訴えられたパロディの裁判記録まで、出品作品は多岐にわたっています。
展覧会のポスターになっている上の横尾忠則の作品《POPでTOPを!》は、1964年東京オリンピックの陸上のスタートポスターをパロディしたもの。ピカソ、ルオー、ビュフェ、リキテンスタインがスタートダッシュを切る選手たちに見立てられています。当時、横尾氏は新人同然でしたが、オリジナルをデザインしたグラフィックデザイン界の大御所・亀倉雄策氏は、作品があまりに的確で抗議せずじまいだったというエピソードがあります。
下の写真は、マンガ「巨人の星」と「ゲゲゲの鬼太郎」を掛け合わせた《ゲゲゲの星》の原稿。オリジナルに手を加えて面白おかしく作品をつくるのはアリなのかナシなのか、真剣に考えるのはナンセンスですが、笑ってしまうことは間違いありません。
展覧会の冒頭を飾る無数の絵画作品《○○のモナ・リザ》や、映画のワンシーンやアメリカンコミックをアレンジしてつくられた地下鉄のマナー広告も圧巻。まじめにパロディ化した作品の数々がご覧になれます。
パロディ、二重の声【日本の1970年代前後左右】
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201702_parody.html
2017年4月16日(日)まで
[店長]