こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し 東京都庭園美術館

18世紀から20世紀初頭にかけて西洋の上流階級で着られた子ども服や、明治以降の日本で流行った洋装の子ども服にスポットをあてた展覧会です。ファッション誌に掲載されたランバンのドレス姿の親子の写真、イラスト、近代の絵画、西洋と日本の絵本、玩具、木製のアンティークドールなど多岐にわたる貴重な資料約150点が揃います。

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大人と同じように身体をしめつけるドレスを着せられていた子どもたちに、動きやすく “子どもらしい” 服を着せるようになると、それを真似た機能性の高いシンプルなスタイルが大人の間にも広がっていったそうです。

明治以降、洋装を取り入れはじめた日本では、着物姿にエプロン、帽子、洋傘などを合わせる女の子たちが現れます。男の子たちの間では、海軍の水平服を模した大きなセーラー・カラーのついた上着とズボンの組み合わせが人気を博したそう。

大人の女性が日常的に洋服を着るようになるのが1950年頃からと意外に遅かった日本。昭和2年の地下鉄上野浅草間開通を祝したポスターには、和装の女性と、洋装の男性と子どもたちが華やかに描かれています。

新しいスタイルは、子どもたちが先駆け、後に大人に浸透していくという流れは日本も西洋も同じだったようです。

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会場には、ポール・ポワレが洗礼式で長女ロジーヌに着せたワンピースドレスや、長男コランに着せていた白色ギャバジンのサファリジャケットとショーツ、三女ペリーヌ愛用の花柄のボレロの展示もあります。

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数あるファッション展の中でも、子ども服からファッション史をたどるという珍しい展覧会となっています。

こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160716-0831_children.html
2016年8月31日(水)まで

[店長]