ニキ・ド・サンファル展 国立新美術館

Niki_1 フランスの美術家 ニキ・ド・サンファル(Niki de Saint Phalle)の回顧展を見てきました。

没後10年となった昨年秋に、パリのグラン・パレ(Grand Palais)で大規模な展覧会が開催され、今年春にスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館(Museo Guggenheim Bilbao)を巡回。再評価が高まっている女性アーティストです。

最初に大きな注目を集めたのは1961年の「射撃絵画」。オブジェと共に絵具を入れた缶や袋を板に張り付け、石膏で覆ったレリーフをつくり、それに向けて銃を放つことで色を付けていくというパフォーマンス・アートです。

1964年頃からシリーズ化された、フランス語で“娘”を意味する作品「ナナ」は、自由を謳歌する女性のシンボル。ニキのトレードマークとなりました。

またイタリア・トスカーナ地方にある「タロット・ガーデン」についても紹介されています。
ガウディ建築のグエル公園に大きな影響を受け、制作に20年以上もかけた庭園には、22枚のタロットカードをモチーフにした彫刻群がならび、4月〜10月の限られた期間のみ1日数時間だけ一般公開されているそう。会場では、そのためのドローイングや、ガーデン内の映像を観ることができます。

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ニキのコレクターであり、世界唯一のニキ美術館を那須高原に設立したYOKO増田静江さん(パルコ元会長の増田通二夫人)との絆も見どころの一つです。

本展では、撮影できるスポットが2カ所ありますが、下の写真は作品「ブッダ」。1998年10月に初来日した際、YOKO増田静江さんと訪れた京都の仏像がモチーフになっています。その奥に写っているメキシコの「髑髏(どくろ)」もそうですが、カラフルな色ガラスやセラミック、天然石や鏡の欠片で、宗教や死の世界を表現した作品です。

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こちらは最後に展示されている「翼を広げたフクロウの椅子」。

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色使いが鮮やかで、どこか愛を感じる、初期から晩年までの代表作約150点をご覧になれます。

ニキ・ド・サンファル展
http://www.niki2015.jp/
2015年12月14日(日)まで

[店長]