カニサレス@すみだトリフォニーホール

先週末、カニサレス・フラメンコ・カルテット 来日公演2015に行ってきました。一昨年の新宿文化センター以来(そのブログはこちら)、心待ちにしていたカニサレス(Juan Manuel Cañizares)のコンサートです。

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カニサレスは、パコ・デ・ルシアの後継といわれるギタリストですから、伝統的なフラメンコの演奏も素晴らしいのですが、ベルリン・フィルとの共演で大きな注目を浴びたように、フラメンコとクラシックの垣根を越えた活動でも知られています。

今回の来日では、すみだトリフォニーホール公演のみ新日本フィルと共演。あの「アランフェス協奏曲(Concierto de Aranjuez)」が聴けるチャンスということで多くのファンが詰めかけていました。

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コンサートは2部形式で、第1部の前半はスペインが誇る偉大な作曲家、ファリャ(Manuel de Falla)の作品集から。バレエ音楽「三角帽子」から「粉屋の踊り(Danza del molinero)」、オペラ「はかなき人生」から「スペイン舞曲(Danse Espagnole)」、バレエ音楽「恋は魔術師」から3曲が演奏されました。

ここまでは前回と同じメンバーによる演奏と舞踊です。カニサレスとファン・カルロス・ゴメス(Juan Carlos Gómez)がギターを奏で、チャロ・エスピーノ(Charo Espino)が舞い、アンヘル・ムニョス(Angel Munoz)が踊ったりカホンを叩いたりといったステージが繰り広げられます。

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そして舞台が暗転。指揮者の松尾葉子さんと新日本フィルハーモニー交響楽団が登場し、カニサレスが加わって、いよいよ「アランフエス協奏曲」です。有名なのはチック・コリアが「スペイン」のイントロに取り入れた第2楽章ですが、第3楽章の終盤にかけての盛り上がりは身震いするほど感動的ですね。常にクールな印象のカニサレスが汗を拭いながら演奏していて、文字通りの熱演でした。

休憩を挟んだ第2部はカニサレスのオリジナル作品集で、再びカルテットで登場。こちらは、うってかわってリラックスした雰囲気で、のびのびと演奏していました。踊りが加わるアップテンポの曲も魅力的ですが、じっくり聴かせる「悠久(Lejana)」のようなバラードが素敵です。フラメンコギターの美しい音色にどっぷり浸らせてもらいました。

カニサレス・フラメンコ・カルテット 来日公演2015
http://www.plankton.co.jp/canizares/

※ステージの写真は、すみだトリフォニーホールのFacebookページ(こちら)に掲載されています。

[仕入れ担当]