映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました(Chef)」

Chef0 とにかく楽しい映画です。登場人物たちが明るく前向きで情が深く、料理の映像もシズル感たっぷり。その上、ロケ地の景色と音楽が最高で、ちょっと下ネタっぽいジョークもありますが、どなたを誘っても安心して観にいけるタイプの作品だと思います。

主人公は、L.A.のレストランで雇われシェフをしているカール・カスパー。演じているのは「アイアンマン」シリーズの監督として有名なジョン・ファヴロー(Jon Favreau)で、本作では監督と主演を兼務しています。

その他の出演者は、カールの元妻役でソフィア・ベルガラ(Sofía Vergara)、レストランの同僚ウェイトレスの役でスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)、レストランオーナーのリーヴァ役でダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)、元妻の前夫の役でロバート・ダウニー・Jr(Robert Downey Jr.)など。

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料理への強い情熱を持つカールは、レストラン評論家の有名ブロガー、ラムゼイ・ミシェルの来店を前に、これまでのオーソドックスなメニューを一新しようと考えます。しかしオーナーのリーヴァは、ストーンズのコンサートに行ってサティスファクションを演らなかったらガッカリするだろ、とそれを拒否。無理矢理いつものメニューに戻されます。

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案の定、ラムゼイのブログでの評価は最悪。ゆで卵にキャビアをたっぷり載せるのは自信のなさの現れだとか、カールの太った腹は不味すぎて客が残した料理を食べたせいだとか、散々な言われようです。腹の虫が収まらないカールは、元妻と暮らしている息子にtwitterのアカウントを設定して貰い、ラムゼイに「もう一度食べに来い」と公開挑戦状をたたきつけます。

それは瞬く間にネット中に拡散され、レストランは予約で一杯です。ステーキに自家製コチュジャンを添えるなど試行錯誤の末、思い通りのメニューができあがりますが、またしてもリーヴァから反対され、結局、思い通りの料理が出せないのならとレストランを辞めることに。

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とはいえ、料理への情熱は変わりません。それを見かねた元妻にフードトラックを勧められるのですが、今ひとつ乗り気になれないカール。

そんな折、元妻に誘われ、息子の子守役として3人でマイアミに行くことになります。この元妻というのが、ショービジネス関係の仕事をしている女性で、父親もラテン系のミュージシャン。彼らと出かけたリトルハバナのVersaillesで、息子に本物のキューバ風サンドイッチを食べさせたりしているうちに、フードトラックに気持ちが傾いていきます。

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恥をしのんで元妻の前夫の協力を仰ぎ、オンボロのフードトラックを手に入れたカール。

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息子と二人で四苦八苦して修理していると、L.A.のレストランで部下だったマーチンがやってきて、これまでの恩返しとばかり、厨房の入れ替えから外装のペイントまでいろいろ手伝ってくれます。

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カールと息子とマーチンの3人が、"El Jefe"と名付けられたこのフードトラックでフロリダのビーチを皮切りに、営業しながらL.A.に向かって旅立ちます。ニューオリンズ、オースティンなどで各地のローカルフードを取り入れたメニューを売り、息子がtwitterやVineを使って宣伝したおかげで大繁盛。

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そして、この旅を通じて、それまであまり接点を持てなかった息子と絆を深めていくというお話です。

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後半はロードムービ的な展開になるのですが、料理がテーマの映画ですから、テクス・メクスのGuero’s Taco Barや、バーベキューのFranklin’s BBQなど米国南部の食がいろいろ登場するところも見どころのひとつ。

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そこに、元妻の父親役で出ているPericoことホセ・エルナンデス(José Hernandez)が歌う"La Quimbumba"や"Oye Como Va"、ロックステディの名曲"Rudy, A Message to You"などラテンアメリカの音楽をふんだんに盛り込んで気分を盛り上げます。

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フロリダからカリフォルニアまで南部の街を抜けていきますので、至るところでスペイン語が話されます。カールのトラックの店名"El Jefe"もスペイン語でシェフとかボスとかいった意味ですが、カールはスペイン語がわからないという設定だからかスペイン語会話の字幕は出ませんので、スペイン語がわかる方だと笑えるシーンが増えます。

公式サイト
シェフ 三ツ星フードトラック始めましたChef

[仕入れ担当]