ヘレナ・ローナーのインタビュー

"Lisbon, Paris, Madrid"という、アート、デザイン、ファッションに関するブログサイトにヘレナ・ローナー(Helena Rohner)のインタビューが掲載されています。

以前、「造形だけで作者が分かるデザイナーはそうそういないものですが、ヘレナ・ローナーはそんな希有なデザイナーの一人だと思います」とブログに書いたことがありますが、この記事でもヘレナを似た観点から紹介していました。

創作活動に関するヘレナの考え方やプライベートな話まで、とても興味深いインタビューでしたので、以下に抜粋してご紹介します。

写真も載っていますので、ご興味のあるかたはぜひ原文(英語とスペイン語)にアクセスしてみてください。
http://lisbonparismadrid.wordpress.com/2014-07-17-helena-ronher-the-jewel-is-a-shy-sculpture-la-joya-es-una-escultura-timida/

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【インタビュー抄訳】

(導入部分:色彩や形状と対話をしながら、作品に息吹を吹き込むデザイナーのヘレナ・ローナー。独自のスタイルと絶対的なエレガンスで知られる彼女のジュエリーは、シンプリシティ、自然を呼び起こす感覚、伝統工芸をベースとしたクオリティとバイタリティの集約です。彼女のジュエリーをいとおしく思うのは、それが永遠の価値に支えれたものだとわかるからなのです)

LPM:あなたのジュエリーは、シーズンやコレクションを超えて、見ただけですぐに認知できる独特の個性がありますが、そのような独自のスタイルはどこから生まれてきたのでしょうか?

ヘレナ:私のスタイルは、世界に対する私の視点であり、私自身でもあります。オーガニックでソフト。私自身がそう生きたいと思っていることです。

LPM:創作活動のベースとなるインスピレーションについてですが、あなたの場合、何か特定のインスピレーションの源があるのでしょうか? それともコレクション毎に新たなインスピレーションを求めるのでしょうか?

ヘレナ:常に新しいインスピレーションを求めるようにして、それを起点に新しいコレクションに取り組んでいます。ただ、私の作品においては「自然」が何度も繰り返されているソースのひとつであることは確かです。私の行いすべてが、自然と強く結びついていると言えます。

LPM:ファッションとジュエリーは近い存在でしょうか? それとも、共存する、あるいはつながり合う2つの異なる世界なのでしょうか?

ヘレナ:ジュエリーは人々が個性を表現する方法のひとつですが、その表現方法が多様ですので、服より個性を主張するものだと思います。ジュエリーはより身体に近いものであり、身につけるほどに身体の一部になってくる、親密でフェティッシュなものなのです。

LPM:プロダクトデザイナーとしても幅広い実績がありますし、Georg Jensen など多くのブランドとコラボレーションしています。プロダクトをデザインすることはジュエリーをデザインすることの論理的帰結なのでしょうか?

ヘレナ:ジュエリーはシャイな彫刻だと思っています。より大きなオブジェの創作にも、ジュエリーと同様、使いやすいフォルムに対する私の愛着が投影されています。

※訳注:ジョージ・ジェンセンとのコラボについてはこちらのブログをご覧ください。

LPM:あなたのジュエリーやオブジェは高度にコンセプチュアルでハイクオリティ、そしてクラフツマンシップを極めています。そのような強力な価値を持つブランドは、スピードこそ命のインターネットが主流となっている現代のマーケットでどのようにうまくやっているのでしょうか?

ヘレナ:私はジュエリーの魂を強く信じています。それは、素材の価値を高める工芸技術や専門性にこだわる理由でもあります。また私のように、スペシャルなもの、時間をかけてデザインされ手作業で仕上げられたもの、時を超えて愛されるものを求めるお客様がたくさんいらっしゃることも信じています。

LPM:尊敬するアーティストやデザイナーを教えてください。

ヘレナ:敬愛するアーティストは、アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)です。ミニマリズムの権威で、温かみのある素材感と色彩が突出していると思います。ファッション界では、セリーヌのフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)や、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)ですね。2人のそぎ落としたシンプルさと、研ぎ澄まされた大胆さが好きです。

※訳注:アニッシュ・カプーアについては、こちらのブログをご覧ください。

LPM:マドリードを拠点に活動されていますが、マドリードに惹かれた理由は?

ヘレナ:以前暮らしていたロンドンと生まれ故郷のカナリア諸島の中間地点だったからですが、すぐに私のホームタウンになりました。コンパクトで生活しやすく、文化的なイベントもたくさんあり、豊かな自然に囲まれた街です。唯一の欠点は海がないことかしら……。

LPM:最後に、女性がひとつだけ選ぶとしたら、どのジュエリーを選ぶべきだと思いますか?

ヘレナ:断然、リングです。美しい色のポーセリンをあしらったリング。素材のミックスが生み出すオーガニックなフォルム。リングには、私のビジョンが凝縮されていると思っています。

このインタビュー記事をお読みになって、ますますヘレナのファンになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 私もそのひとり。スタイルのある大人の女性。憧れますねぇ〜

そんなヘレナの秋冬最新作も、現在、お披露目準備が進行中です。COMING SOON ブログでご紹介してまいりますので、どうぞお楽しみに♪

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[仕入れ担当]