「麗しき女性たち」マルティーヌ フランク写真展

A 銀座シャネルで始まったマルティーヌ・フランク(Martine Frank)の写真展に行ってきました。

アンリ・カルティエ=ブレッソン夫人として、またアンリ・カルティエ=ブレッソン財団の設立者としても有名ですが、ご本人もマグナム・フォトのメンバーであり、写真家として長く活動してきた方です。特にルポルタージュ的なモノクロ写真に多くの素晴らしい作品があります。

このシャネルでの展覧会は、マルティーヌ本人がテーマを設けたという「女性を賛美する写真」で構成。もともと人物写真に定評ある写真家ですが、働く女性たちや舞台裏の芸人、有名人のポートレイトなど、被写体への温かい気持ちを感じさせる写真が多数展示されています。

また、フランスの不法移民や、インドやチベットや中国西域の人々など、人道的視点から撮影されたルポルタージュ的な写真も多く出品されており、彼女の仕事を横断的に見ることができます。
Martine

なかでも個人的に好きだったのは、展示の最後を飾っていた家族の肖像。自分が撮られるのは嫌いだと公言していたブレッソンも、ここでは孫(なぜか表示では娘になっていましたが)を抱いた好々爺としてフレームに収まっていました。やはり人物写真は撮影者と被写体の関係性ですね。

余談ですが、6〜7年前、設立されて間もないアンリ・カルティエ=ブレッソン財団(Fondation Henri Cartier-Bresson)のギャラリーに行ったとき、受付の方に日本語で話しかけられてビックリした記憶があります。ブレッソンの日本での人気というのは根強いのだろうなぁと感じた次第です。

それにしてもネクサス・ホールの企画は素晴らしいですね。この春にはフランソワーズ・ジローの回顧展がありましたし、数年前にはマグナムフォトによるパリの写真展エリオット・アーウィットの個展もありました。いつも素敵な展覧会を企画してくれるシャネルには感謝です。

麗しき女性たち(In Celebration of Woman)マルティーヌ フランク写真展
シャネル・ネクサス・ホール(銀座)
2010年9月14日まで・無休
12:00〜20:00
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/

[仕入れ担当]