ART in LIFE, LIFE and BEAUTY リニュアル・オープン記念展 サントリー美術館

1961年に開館以来「生活の中の美(Art in Life)」をテーマに展示・収集活動を行ってきたサントリー美術館のリニュアル・オープンを記念した展覧会を観てきました。

日常の中で味わい愉しんできた日本の美を「装い」「祝宴・宴」「異国趣味」の3つの章に分けて紹介。美術館が所蔵する古美術品と、古美術に造詣が深い現代作家の作品を融合させたユニークな特別展示もあります。

Artinlife_1

こちらは、天下泰平と五穀豊穣を祈念した神事を描いた《賀茂競馬図屏風》と、現代作家・野口哲哉氏の立体作品です。迫力のある競べ馬や見物人が描かれた屏風と、それを眺める甲冑を着た武士たちのフィギュアは、作品と鑑賞者との関係を可視化。これから100年後、500年後も、さまざまな人が屏風を前に、図柄の読み解きに興じる姿をイメージしています。

Artinlife_2

ポルトガルやスペインとの交流を通じて生まれた南蛮美術。彼らの姿や文化は人びとの関心の的となり、異国趣味の意匠が流行します。

Artinlife_3

なかでも巨大な南蛮船を描いた屏風は、福の神と宝船をイメージさせるデザインで人気があったそうです。

Artinlife_4

こちらは、山口晃氏の版画《成田国際空港 南ウィング盛況の圖》の一部を拡大したもの。巨大な国際空港を描いた絵図の中には、帰国して駕籠に乗り込もうとするお侍さんや、カウンターで手続きを待つ南蛮人の姿があり、世界へと広がる窓口が南蛮船の来航と重なります。

Artinlife_5

隈研吾氏の監修でエントランスやミュージアムショップ、カフェなどをリニューアルした美術館。和の素材をいかしたぬくもりのある空間でゆっくりご覧になれます。

ART in LIFE, LIFE and BEAUTY リニュアル・オープン記念展
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2020_1/
2020年9月13日(日)まで

[店長]