モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展 パナソニック汐留美術館

工業デザインが装飾から機能に移りかわるなかで生まれたモダンデザイン。芸術文化を支援した高崎の実業家・井上房一郎をはじめ、新しい上質な暮らしを夢見て日本のモダンデザインを牽引していった人々の交流を辿る展覧会です。1930〜60年代に制作された工芸品、家具、建築の図面や写真、映像など多様な作品資料160点がご覧になれます。

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日本初の国立デザイン指導機関、商工省工芸指導所の顧問を務めたドイツ人建築家ブルーノ・タウトは、井上房一郎とブランドを立ち上げ、自身がデザインし日本の職人たちに作らせた伸縮自在な本立や竹皮編みのカゴなどを銀座の店舗で販売しました。彼が手がけた店の看板や包装紙の展示もあります。

ヤクルトの容器デザインを手がけた剣持勇は、商工省工芸指導所でタウトに師事。代表作のスツールは、1959年に松屋銀座で開催された「アパート生活展」に出品されたもので、軽量で積み重ねが可能、狭い空間での使用に適しています。一本の木を熱して圧をかけ曲げた脚が特徴です。

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帝国ホテル建設のために来日したチェコ出身の建築家アントニン・レーモンドと、インテリアデザイナーのノエミ・レーモンド夫妻は、自分たちの事務所を設立して前川國男ら多くの建築家を育成。建築とインテリアを組み合わせた、これまでにないライフスタイル提案を日本に定着させた立役者です。

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レーモンド事務所に所属していたジョージ・ナカシマの二本脚の椅子や、自然な木の形をいかしたテーブル、レーモンドや剣持と交流のあったイサム・ノグチのあかりは美しく、これらに囲まれた暮らしを想像するだけでわくわくしてきます。

モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展
https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200111/
2020年3月22日(日)まで

[店長]