トルコ至宝展 国立新美術館

イスタンブルのトプカプ宮殿博物館が所蔵する16世紀から19世紀までの豪華な宝飾品、美術工芸品、食器、武器、書籍など、ほどんどが初来日となる約170点を通して、オスマン帝国の美意識や文化を紹介しています。

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数百年にわたり栄華を極めたオスマン帝国で、歴代の君主が居住したトプカプ宮殿には、最大で6,000人が暮らし、ハレムにいた女性は2,000人、料理人が1,200人もいたそう。政治、文化、芸術の中心として栄えた建造物は、いまでは博物館として貨幣価値がつけられないほどの宝石、珍しい素材でつくられた調度品、君主が身につけていたターバン飾りやカフタンなどを所蔵しています。

大きな3粒のエメラルドとダイヤモンドで埋め尽くされた金の装飾に、真珠のタッセルを下げた《玉座用吊るし飾り》は、全長43センチもあり、目が眩むほどの美しさです。ほかにもヒスイやルビーがはめ込まれた金の水筒、サンゴやトルコ石で彩られた直刀、など数々の宝飾品が観られます。

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トルコ語でラーレ(lale)と呼ばれるチューリップは、アラビア文字を組み換えることで、イスラム教の神や、国旗にある三日月を意味する言葉になることから、国家のシンボルとして愛され続けている花だそうです。ハマムやモスクなどの壁面タイルに描かれるだけでなく、身に着けるベルトや革の長靴に刺繍されていたり、礼拝用の携帯ミフラーブや敷物、おもてなし用のバラ水入れ、ハシゴやサイドテーブルにまでチューリップの文様があしらわれています。

鼻を守るための防御板がチューリップになっている《兜》もありました。こちらのチューリップは取り外すことができない作りのようでしたが、兵士たちは、自身の兜のこの部分にスプーンをさして持ち歩いていたそうです。戦いでは鼻を守り、給料日に振舞われる食事の際はそれを外して使ったそう。

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2020年に友好130周年を迎えるトルコと日本の交流についても紹介されています。トプカプ宮殿に迷い込んだような美しい会場装飾にも注目です。

トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美
https://turkey2019.exhn.jp/
2019年5月20日(月)まで

[店長]