林忠正 – ジャポニスムを支えたパリの美術商 国立西洋美術館

明治初期にフランス・パリで日本美術商として活躍した、林忠正の功績を紹介する展覧会です。国立西洋美術館でル・コルビュジエ展と同時開催している企画展で、同じチケットでどちらもご覧になれます。

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日本の美術や工芸品がヨーロッパで人気を博していたころ、1878年パリ万博博覧会に際し通訳として渡仏した氏は、そのままパリに留まり日本美術を扱う店を構えます。作品の背景や日本文化を豊富な知識で紹介することで、美術愛好家やアーティストたちの信頼を得て交友関係を培っていっそうです。友人たちと交わした多くの書簡が残されており、同じくジャポニスムの立役者として知られる美術商ジークフリート・ビングとの交流などを知ることができます。

日本に西洋絵画を展示する美術館を建設したいとの考えから、モネ、ドガ、ピサロらと作品を交換。蒐集した500から600の西洋美術を日本に持ち帰ったそうですが、残念ながら美術館建設は実現せず、コレクションのほとんどが売りに出されたそうです。大量の日本美術を国外に流出させたという文脈で批判的に語られたこともあったそうですが、19世紀西洋での日本ブームを支え、浮世絵人気を定着させた人物として再評価されています。

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林忠正 – ジャポニスムを支えたパリの美術商
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2019hayashi.html
2019年5月19日(日)まで

[店長]