マルセル・デュシャンと日本美術 東京国立博物館

フィラデルフィア美術館が誇る世界有数のマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)コレクションがずらりと並ぶ展覧会です。デュシャン没後50年を記念した巡回展で、油彩画やレディメイド、関連する貴重な資料や写真など150点あまりの展示作品とともに、60年以上にわたる創作活動に迫ります。

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デュシャンといえば、大量生産の既製品を用いた《自転車の車輪》、《泉》、《瓶乾燥機》などのレディメイド作品が有名ですが、本展では10代から20代半ばまで描いていた絵画作品も数多く紹介しています。

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故郷を描いた風景画や、家族を描いた肖像画のほか、1912年に制作され、名前を広く知らしめることとなった《階段を降りる裸体 No.2》は必見です。

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1920年代になると、ローズ・セラヴィという女性の別人格を作り出し、創作活動をするのですが、そのローズになりきったデュシャンのポートレートをマン・レイが撮影しています。ゴージャスな毛皮をまとい、ジュエリーを着け、ハットをかぶった女装のデュシャンはとても妖艶です。

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ローズ・セラヴィ名義の作品《トランクの中の箱》は、革製のトランクの中にデュシャンのさまざまな作品のミニチュア、写真などが収められていて、丸ごと持ち帰りたくなります。

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本展は二部構成になっていて、第二部では東京国立博物館ならではの試みとしてデュシャンの作品と日本美術を見比べることで日本の美の新しい楽しみ方を提案しています。

マルセル・デュシャンと日本美術
http://www.duchamp2018.jp/
2018年12月9日(日)まで

[店長]