眠らない手 エルメスのアーティスト・レジデンシー展 メゾンエルメス フォーラム

新しいアーティストと、老舗メゾン・エルメスの伝統と技を「共有・協働」させるプロジェクト、アーティスト・レジデンシー展を観てきました。

2010年夏からエルメスの工房で始まった試みで、選ばれたアーティストたちがシルク、レザー、シルバー、クリスタルを扱う工房に数カ月滞在し、職人の卓越した技術に触れながら作品を創り上げていきます。

2010年から2013年の間に参加したアーティストの作品を集めた前回のコンダンサシオンに続いて、今回は2014年から2017年の間に参加した9人のアーティストをVol.1とVol.2の二期に分けて紹介しています。

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サンルイの工房に滞在したガラス作家、DH・マクナブのクリスタル作品《地平線》です。差し込む光や見る角度によって色が変化します。

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アメリカ出身のマクナブは、フランス語は話せず、職人たちとジェスチャーで意思疎通を図ったそうです。そもそも、クリスタルを作る工房では作業の音がとても大きく、会話できないため、職人たちは日頃から表情や態度を読みとることが大事だそう。

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リヨンにあるテキスタイルの工房で、長さ40メートルにも及ぶシルク《アペイロン(無限なるもの)の観測可能性》を制作したのは、アーティストであり振付家でもあるセリア・ゴンドルです。天体物理学をアイデアに、ダイナミックな星の動きを表現した生地は、美しさのあまり手に触れたくなります。

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眠らない手 エルメスのアーティスト・レジデンシー展
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/archives/761518/
Vol.1:2018年9月13日(木)〜11月4日(日)
Vol.2:2018年11月15日(木)〜2019年1月13日(日)

[店長]