中国・清王朝時代に皇帝のために作られたガラスの美に迫る展覧会です。重厚で卓越した彫琢をもつガラスの数々は、アール・ヌーヴォーを代表するフランスの工芸家 エミール・ガレをも虜にし、ガレの制作活動に多大な影響を与えたと言われています。
清朝で黄色は、皇帝あるいは皇后専用の色とされ珍重されたそうです。皇后を象徴する鳳凰が舞うモチーフの輪郭にそって点を穿ち、点と点のあいだを削りだして鮮明なラインを描いた浮き彫り作品。
石英の粉と細かい気泡が内包されたスノーフレークガラスの素地に、疾走する馬の背に乗る武人を描いた色被せガラスの瓶、数種類の色を組み合わせたカラフルな燭台、大理石を模したマーブルガラスや金の砂を含んだようなアベンチュリンガラスの瓶など、バラエティに富んだ作品の数々は見応えあります。これらの独特な色彩や造形に影響を受けたとされるガレの作品も必見です。
エピローグでは、宮廷内で大流行し庶民にも普及した嗅ぎ煙草を容れる鼻煙壺が整然と並びます。清朝工芸の技術力と美意識が凝縮された手のひらサイズの小さな壺に見飽きることはありません。
ガレも愛した清朝皇帝のガラス
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_2/
2018年7月1日(日)まで
[店長]