パリ♥︎グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展 三菱一号館美術館

19世紀末のパリで最先端メディアとして芸術家たちが夢中になり、コレクターズアイテムとなった版画・ポスターに焦点をあてた展覧会です。トゥルーズ=ロートレックの作品を中心に、油彩・挿絵本等を加えた約140のコレクション、グラフィック・アートの数々がご覧になれます。

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自由な描写と多彩な色を用いて表現できる美しい版画は、多くの芸術家や愛好家たちを魅了する一方で、量産可能なメディアとして街なかのポスター、雑誌や本の挿絵などに使われました。

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カフェ・コンセールやキャバレー、ダンスホールに出演する人気の歌手、踊り子、俳優たちや、庶民の生活や男女のドラマをモチーフにしたポスターが人気を集め、身近なアートとして人々の暮らしに浸透していきます。

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上は、アイルランド出身の歌手メイ・ベルフォールがプティ・カジノに出演した際のポスター。下は、イギリス出身の踊り子メイ・ミルトンが、アメリカ巡業の際に依頼したポスターで、何度も色を変えて刷っているうちの一枚です。どちらもトゥルーズ=ロートレックの作品で、対になることを意識して同じサイズで描かれたそう。

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キャバレー「シャ・ノワール」巡業公演のためのポスターは、猫好きで有名なテオフィル・アレクサンドル・スタンランの作品。彼はトゥルーズ=ロートレックと人気を競った作家で、雑誌の仕事や本の口絵など多くのイラストレーションを手掛けたそうです。

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本展の最後を締めくくるのは、詩:ポール・ヴェルレーヌ、挿絵:ピエール・ボナールの詩画集《平行して》。原本とファクシミリ(=写本)が展示されていて、ファクシミリ版は備えつけの手袋をはめてページをめくることができますので、束の間のコレクター気分に浸れます。

パリ♥︎グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展
http://mimt.jp/parigura/
2018年1月8日(月)まで

[店長]