プラナカンとよばれる人たちが着用する民族衣装やジュエリーなど約140点を紹介する展覧会です。シンガポールと日本の外交関係樹立50周年を記念して開催されています。
主に中国からの海洋移民であるプラナカンは、数百年にわたって東洋と西洋の文化に触れ、独自のライフスタイルを築いてきました。“サロン” とよばれる腰衣と “クバヤ” とよばれるブラウスを合わせた独自のファッションもその象徴といえます。
動植物などを色鮮やかに描いた長方形のジャワ更紗を腰に巻いて着用するサロン。シンデレラや白雪姫のワンシーンなどおとぎ話のデザインを取り入れたものもあり、最も人気が高かったのは赤頭巾ちゃんだそうです。
20世紀になると、英国臣民としての立場と、ルーツである中国との間で板挟みとなったプラナカンの女性たちは、何を身にまとうか、洋装、中国の衣装、クバヤの選択肢から戦略的に選びました。クバヤの中でもヨーロッパ人やユーラシアンに好まれた白のレースで装飾されたクバヤ、龍や麒麟の刺繍が施された白レースのクバヤ、ヨーロッパから伝わってきた木綿のオーガンジーで作られたクバヤなど、その時々にあわせて装ったそうです。
最後には、あるプラナカンの女性たちが受け継いできたジュエリーの数々が展示されています。ダイアモンドをあしらった金のヘアピン、クジャク文様の銀のバックル、3点組の星形ブローチなど、華人の金細工師やインドの宝石職人たちが制作したジュエリーは、ため息ものです。
サロンクバヤ:シンガポール 麗しのスタイル
つながりあう世界のプラナカン・ファッション
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/169sarongkebaya/
2016年9月25日(日)まで
[店長]