ポンピドゥー・センター傑作展 東京都美術館

来年、開館40周年を迎えるパリのポンピドゥー・センター(Centre national d’art et de culture Georges-Pompidou)から、上野の東京都美術館にフランス20世紀美術の傑作約70点がやってきました。1906年から1977年までのタイムラインにそって、1年ごとに1人の作家の1作品を紹介していく構成です。

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1906年のラウル・デュフィ《旗で飾られた通り》から始まる最初の部屋では、斜めに立てられた赤い壁に沿って観覧。2つ目の部屋では、青と白の壁をジグザグに進んでいきます。そして最後は、サークル状に立てられた白い壁をぐるりと一周。

今までにない会場デザインが新鮮です。ひとつひとつの作品に添えられたメッセージを読みながら、作家のポートレート写真や残した言葉と合わせて観られます。

下の写真は、1921年のマン・レイ《剃髪したデュシャン》。レディ・メイドの先駆者、マルセル・デュシャンの星形に剃られた後頭部です。デュシャンの《自転車の車輪》は1913年に展示されています。

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こちらは、ポール・ポワレの邸宅も設計した建築家ロベール・マレ=ステヴァンの作品《肘掛け椅子》です。1925年に展示。

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このほか、1958年に75歳のガブリエル・シャネルを撮影したリチャード・アヴェドンの写真や、1973年のジャン・デュビュッフェが電話の最中にかいた落書きから着想を得た作品など多彩なコレクションをご覧になれます。

なお、会場の展示デザインを手掛けたのは、パリを拠点に世界中で活躍している田根剛氏。パリのグランパレで開催された「北斎展」や、21_21 DESIGN SIGHTの「フランク・ゲーリー展」などを手がけて躍進中の建築家です。

ポンピドゥー・センター傑作展
ー ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで ー
http://www.pompi.jp/
2016年9月22日(木・祝)まで

[店長]