フランス人アーティストの JR や ジャン=ミシェル・アルベロラ、映画監督としても知られるデヴィッド・リンチなど、20人の現代アーティストが手がけたリトグラフ作品約130点が観られる展覧会です。
これらの作品が制作されたのは、パリ・モンパルナスの地で現代アーティストとの協働を積極的に展開しているリトグラフ工房 idem(イデム)。1880年代に開業した印刷工房で、1930年代からは地図を専門に手がけ、1970年代後半からは「ルムロー工房」としてシャガールやマティスのリトグラフを数多く制作した歴史ある工房です。
本展のポスター(上の写真左)に使われているのは、10代の頃から匿名のグラフィティ・アーティストとして路上に自分のマークを残していた JR のリトグラフ作品。古くから使われている巨大なプレス機や、石板が壁一面に並ぶ idem 工房内を撮影したもので、奥には肖像写真から切りとったピカソの目が貼り付けられています。
また写真家・森山大道、初のリトグラフ作品も観られます。1987年「写真時代」で発表した「美しい写真の作り方6」シリーズの3点ですが、写真とは違う、少しざらつきのある紙で表現された官能的な作品は見逃せません。
この展覧会は、小説家の原田マハ氏が idem を訪れたことをきっかけに、原田マハ氏と idem 、東京ステーションギャラリーの共同企画で開催されることになったそう。乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ小説「ロマンシエ(Romancier)」が本展にリンクするという面白い企画になっています。
君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。
パリ・リトグラフ工房idemから – 現代アーティスト20人の叫びと囁き
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201512_idem.html
2016年2月7日(日)まで
[店長]