コンセプチュアルなジュエリーを創り続けているスイスの巨匠 オットー・クンツリ(Otto Künzli)の作品を一挙に鑑賞できる展覧会です。東京都庭園美術館のアール・デコ様式の本館と、昨年竣工したホワイトキューブの新館ギャラリーに、初期作から本展のために制作された最新作までが展示されています。
下の写真は、本館の大客室として使われていた広間に展示されている最新作《ビッグ・ファミリー》。343個の丸いくぼみがある白いちゃぶ台の上に、観覧者が持ち寄った小さなものを置き、世界にひとつだけのネックレスをつくるというインスタレーションです。それぞれの個性と、価値観の違う人との関わりについて問いかけます。
こちらは、新館に展示されている初期作《証明写真》。金細工職人として既存のジュエリーを制作していた若きクンツリが、新たな方向性を見つけようと試行錯誤していた頃の姿だそう。
続いてこちらも新館に展示されている、48個の結婚指輪をつなげた作品《チェーン》。見た目は軽そうですが、リング提供者ひとりひとりの想いや人生が込められた重たい作品です。
このほか秋葉原で入手したという初音ミクの水色の髪の毛を使った《コマイヌ》シリーズや、骨董市で見つけた和箪笥用の金具と漫画のキャラクターを結びつけた《東京日記》など、日本に触発された作品も多くありました。
工事が続いている庭園は一部開放されています。ウィットにとんだクンツリ・ジュエリーを堪能し、美しい紅葉を眺めて帰るのも素敵ですね。
オットークンツリ展
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/151010-1227_kunzli.html
2015年12月27日(日)まで
[店長]