国立新美術館「アンドレアス・グルスキー」展

アンドレアス・グルスキー(ANDREAS GURSKY)は、現代写真界を代表するドイツのアーティスト。1999年の「ライン川 Ⅱ(Rhine Ⅱ)」が、現存する写真家の作品として史上最高額となる約433万ドル(当時のレートでおよそ3億4千万円)で落札されたことでも知られています。

この夏、日本初の個展が国立新美術館で開催され、大きな話題になっていましたので、夏休みを利用して観に行ってきました。

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展示作品は、作家本人が厳選した65点。小さなものでA3サイズほど、最大で5メーター以上ある巨大なパノラマ写真が展示されています。

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最初期の作品は1980年の「ガスレンジ(Gas Cooker)」。白を基調とした画面に、青い炎と黒いラインがアクセントになった作品です。

1990年に発表した作品「東京証券取引所(Tokyo , Stock Exchange)」は、展覧会への参加で初来日した際、日本の新聞に掲載されていた写真にインスパイアされたものだそう。

アンドレアス・グルスキーの特徴的なモチーフである群衆が扱われ始めたのはこの作品から。その後、世界中のオフィスビルや工場のほか、インド洋をモチーフにした作品や、バンコクの川を撮影した連作が登場します。

下の写真は、テクノカルチャーに影響を受けた1990年半ば、フランクフルトにあるクラブで熱狂する若者たちの様子を撮影した作品「コクーンⅡ(CocoonⅡ)」です。

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この画像では分かりにくいかも知れませんが、実際は、ひとりひとりの表情が鮮明に映し出されています。

展示会場入口で、年代順に紹介されている作品リストを配布していますが、展示はバラバラ。作品のイメージと観る側との間に、新たな関係が構築するという考えから、このような構成になっているのだそうです。

奥行や平衡感覚を失ってしまうような不思議な世界にとり込まれます。

ANDREAS GURSKY アンドレアス・グルスキー展
http://gursky.jp/

国立新美術館:10時ー18時(金曜日は20時まで)
2013年9月16日(月・祝)まで

[店長]