スティング@日本武道館

昨晩はスティング(Sting)東京公演の最終日に行ってきました。

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前回、彼のコンサートに行ったのは確か2000年の秋。その前年に出た「Brand New Day」というアルバムの中にライ・シンガーのシェブ・マミ(Cheb Mami)をフィーチャリングしたDesert Roseという曲があるのですが、ちょうど私がマグレブ(Maghreb)の文化に興味をもった時期で、またグラミー賞で話題になっていたこともあって、武道館まで出掛けて行ったのでした。結局、シェブ・マミは来日せず、アラビア語のパートもスティングが歌ったのですが……。

スペインの文化にはアラブの影響が至るところに残っており、たとえばモナド取扱いのデザイナー、エレナ・カンセル(Elena Cáncer)のこのジュエリーなど、意識的にアラブのデザインを取り入れたもの。こういった文化はマグレブ経由でスペインに流入したものですから、興味が繋がっていくわけです。

ということで、10年ぶりに行ったスティングのコンサートは「SYMPHONICITY JAPAN TOUR」と題されたもの。昨年リリースのアルバム、オーケストラの伴奏で自身のヒット曲を歌った「シンフォニシティ(SYMPHONICITY)」をテーマにしたワールドツアーの一部です。

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今回のジャパンツアーは東京ニューシティ管弦楽団との競演ということで話題になっていましたが、日本武道館とはいえ、フルオーケストラだと音に厚みがありますね。また、指揮者のスティーヴン・マーキュリオ(Steven Mercurio)という人は舞うように指揮をするノリノリな人。第1曲目のIf I Ever Lose My Faith In Youが始まった瞬間から、ステージにぐんぐん引き込まれていく感じでした。

第一部はPolice時代のヒット曲を交えながら13曲を演奏しましたが、中でも良かったのは、アルバムではMary J.BligeをフィーチャリングしていたWhenever I Say Your Name。コンサートマスターの方のヴァイオリンのソロで始まり、その後、コーラスの女性とスティングが掛け合いのように歌い上げ、再びヴァイオリンのソロに戻って締めくくるという、とてもドラマティックな構成です。

オーケストラとの競演ということもあり、皆さん着席して観賞していたのですが、第一部の最後の曲、Next to Youが始まると、ノリの良い演奏に、思わず全員が立ち上がっていました。やはりPoliceのヒット曲は盛り上がりますね。そして20分間の休憩。

静かに始まった第二部は、Moon Over Bourbon Streetで裏地が赤いコートを着たスティングが吸血鬼のように遠吠えするなど、さまざまな演出でじわじわと盛り上げていき、最後はPoliceのカバー曲が続いてまたもや全員起立状態。熱い拍手の中でアンコールに入り、1曲目はDesert Rose(今回もアラビア語のパートはスティング)でしたが、それで終わりではありません。

すぐに戻ってShe’s Too Good for Me、Fragileと2曲演奏し、盛り上がりも最高潮となったところで終演かと思いきや、最後の最後、スティングのギター弾き語りでMessage in a Bottle。さすがに年期の入ったファンばかりですから、皆さん一緒に歌えます。満員の武道館で I’ll send an S.O.S. to the world… I hope that someone gets my… と大合唱。いやはや盛り上がりました。

[仕入れ担当]