「チェコ写真の現在展」とヤン・ライヒ写真展「Paris」

W杯、スペインvsドイツは最高でしたね。最初から最後まで気が抜けないゲームでしたので、テレビを観ていた私まで身体がこわばってしまいました。

このところサッカーの話題ばかりなので、今回は趣向を変えて、銀座で開催中の2つの写真展のお話です。どちらもチェコの写真家に光をあてた企画なのですが、特に連動しているわけではないようです。

Chech1
まずは、資生堂ギャラリーの「暗がりのあかり チェコ写真の現在展」。いま活躍中のチェコの写真家を紹介する展覧会です。

Chech2 ウラジミール・ビルグス(Vladimír Birgus)、ヴァーツラフ・イラセック(Václav Jirásek)、アントニーン・クラトフヴィール(Antonín Kratochvíl)、ミハル・マツクー(Michal Macků)、ディタ・ペペ(Dita Pepe)、イヴァン・ピンカヴァ(Ivan Pinkava)、ルド・プレコップ(Rudo Prekop)、トノ・スタノ(Tono Stano)、インドジヒ・シュトライト(Jindřich Štreit)、テレザ・ヴルチュコヴァー(Tereza Vlčková)という10人の作品がそれぞれ数点ずつ展示されています。

日常的な情景を切り取ったシンプルな作品から、さまざまな加工を施した現代的な作品まで、バラエティ豊かに集められているのですが、不思議な一貫性を感じるのはキュレーションの巧みさなのでしょうか。久しぶりに、その空間にいる心地よさを感じる展覧会でした。

それぞれ写真家が自らのウェブサイトを持っていますので、主な作品は上記の名前のリンクからご覧になれますが、資生堂ギャラリーのセレクションと展示が非常に素晴らしいので、是非とも会場まで足をお運びになることをお勧めします。見ておいて損のない展覧会だと思います。

暗がりのあかり チェコ写真の現在展
資生堂ギャラリー
2010年8月8日まで
http://www.shiseido.co.jp/gallery/

Reich もう一つは、ライカ銀座店サロンで開催中のヤン・ライヒ(Jan Reich)の「Paris」。昨秋、急逝したヤン・ライヒは、ヨゼフ・スデック(Josef Sudek)に師事した写真家で、大判カメラで撮ったモノクロ作品をたくさん残しています。写真集「ボヘミア」が世界的に有名ですが、今回は1970年前後のパリを撮ったモノクロ作品14点を展示。

やはりこの時代のパリは、公園や裏道などひとつひとつの情景が絵になりますね。以前、岸川典義「あの頃のパリ」展をブログでご紹介をしましたが、公園などとても似た構図で撮っていました。70年代のパリは永遠の憧れのひとつです。

このサロンの1階ではLeicaのカメラを展示販売しています。帰りにM8やらM9やら新品カメラを指をくわえて眺めていたら、中国人の団体さん10名ほどがご来店。そして通訳と思われる女性が開口一番「ひとり7個ずつ包んでください」。

ちなみにフィルムは売ってません。カメラと付属部品だけです。いちばん廉価なデジカメ、C-LUX3でも7万円ほどしますので7台で50万円。この一瞬で500万円の売上です。いやはや、びっくりしました。

ヤン・ライヒ写真展「Paris」
ライカ銀座店サロン
2010年8月29日まで
http://jp.leica-camera.com/culture/galeries/gallery_tokyo/

[仕入れ担当]