シルバーウィークもあっという間に過ぎてしまいました。予想されたような秋晴れの日は少なかったですが、涼しくて過しやすかったですね。皆さま、いかがお過ごしになりましたでしょうか?
私は先週末に封切られたばかりのシャネル映画第2弾「ココ・アヴァン・シャネル」を観てきました。好きな女優オドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)が主演だったので、とても楽しみにしていたのですが、シャーリー・マクレーンの「ココ・シャネル(COCO CHANEL)」を観た後だったこと、どちらも初期の恋人であるエチエンヌ・バルサン(Étienne Balsan)とボーイ・カペル(Arthur ‘Boy’ Capel)との関係にフォーカスしているということもあり、原作の上巻をさらっとなぞった感じで、ちょっと物足りなく思いました。
シャネル自身がボーイ・カペルのことを「私が愛したのはボーイだけ」と言っていますし、どちらの映画でも色男風の男優さんが演じていたのできっとイケメンだったのでしょう。映画としては作りやすいのかもしれませんが、個人的には、シャネルがクチュリエとしての地位を築いた後に出逢ったウェストミンスター公爵との大人の関係(当時シャネルは40歳)の方が興味深いのですが……。でも、成功後のシャネルをして「ヨーロッパ随一の大金持ち」と言わしめたウェストミンスター公の生活を描くのは難しそうです。
来春公開のシャネル映画第3弾「シャネル&ストラヴィンスキー(Coco Chanel and Igor Stravinsky)」は、ロシアの作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキーとの情熱的な愛を描いたものだそう。シャネルのモデルとしても有名なアナ・ムグラリス(Anna Mouglalis)がココ・シャネルを演じ、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が衣装をデザインしたとか。こちらも楽しみですね。
オドレイ・トトゥといえば、「アメリ」「ロング・エンゲージメント」に引き続き、ジャン=ピエール・ジュネ(Jean-Pierre Jeunet)監督と組んだ、Chanel No.5 のための短編映画は素晴らしい出来です。こちらのサイトではメイキングも観れるのですが、シャネルから全幅の信頼を置かれ、予算を意識せずに制作できたのは監督冥利に尽きると熱く語っています。
予算に縛られないというのは、一見、良いことのように思えますが、実はとても大変なことですよね。建築家の隈研吾が著書の中で「予算という制約を通じて、建築は社会と接続されている」と書いていましたが、予算というのは実社会での期待度を示すものですから、青天井の予算=期待度というプレッシャーはかなり大きそうです。まぁ、ともかくChanel No.5のサイトをご覧になってみてください。傑作であることは間違いないと思います。
http://www.chaneln5.com/jp/
公式サイト
ココ・アヴァン・シャネル(Coco avant Chanel)
[仕入れ担当]