ウディ・アレン(Woody Allen)監督の「それでも恋するバルセロナ」が、とうとう封切りになりましたね。サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)やグエル公園(Parc Güell)といったガウディ縁の地、ミロ美術館(La Fundació Joan Miró)のような観光名所がふんだんに登場するほか、序盤でナンパされるレストランが4GATS(Els Quatre Gats)だったり、後半で同性愛の話をするカフェが現代美術館(MACBA)の向かいの店だったり、個人的に好きな場所がたくさん出ていて、見どころ満載の映画でした。
バルセロナの街並みだけでなく、小旅行に行くオビエド(Oviedo)の町もアビレス (Avilés)の海岸もとても美しい場所でした。出てくる教会は世界遺産に指定されているものだそうですが、ハビエル・バルデム(Javier Bardem)の父親役の詩人の家もステキな建物で、レベッカ・ホール(Rebecca Hall)が映画の中で「qué casa tan bonita!」と絶賛しています。こんなに風光明媚な町なら、是非一度、足を運んでみたいものだと思いました。
スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)主演の映画ですが、何といってもペネロペ・クルス(Penélope Cruz)ですよね。序盤のTVドラマっぽい展開が、ペネロペが出てきた途端、一気に映画らしい雰囲気に変わります。やっぱり存在感が違いますね。実生活でもハビエル・バルデムと一緒に暮らしているだけあって、スペイン語でケンカするシーンなど、実にぴったり息が合ってます。
もちろん、ハビエル・バルデムの演技も素晴らしいの一言です。解説等では「ノーカントリー(No Country for Old Men)のハビエル・バルデム」と紹介されていますが、やっぱり彼は、ルルの時代(Las Edades de Lulú)やハモンハモン(Jamón, jamón)、ゴールデン・ボールズ(Huevos de oro)といったビガス・ルナ(Bigas Luna)作品で世に出た男優さんですから、あのようなねっとりした役が似合いますよね。それからジウリア・イ・ロス・テラリーニ(Giulia y Los Tellarini)のテーマ曲も、ウディ・アレンらしい上手な選曲で耳に残りました。
実はこの映画、去年クランクアップしたときから注目していた作品でした。なぜなら、モナドいち押しのジュエリーデザイナー、エレナ・カンセル(Elena Cáncer)がかかわっていると、スペイン貿易庁(ICEX)の fashion from spain というサイトで紹介されていたからです。彼女に会ったときにそのことを確かめてみたら、本人いわく「そうらしいんだけどよくわからない」とのこと。その後、映画を観る機会があったのですが、彼女のアクセサリーらしきものは見つけられませんでした。とはいえ、スペイン語版の Moda España にもそう記されていますので、どこかで密かに使われているのかも知れません。お気付きの方がいらしたら教えていただきたいと思います。
つい先日までスペインに買い付けに行っていましたので、そのエレナとも、先週末、マドリッドで昼食(といっても午後3時スタートでしたが)をご一緒したばかりです。その前はバルセロナにいたのですが、ちょうどサンジョアンのお祭(Focs de Sant Joan)で街全体がお休みになる直前でした。それに合わせて封切日を決めたのかも知れませんが、この「それでも恋するバルセロナ」の物語も、サンジョアン前夜の焚火祭のシーンから始まっていて、このシーズンにぴったりの映画になっています。この映画で一足先にバケーション気分を満喫してみませんか。
公式サイト
それでも恋するバルセロナ(Vicky Cristina Barcelona)
[仕入れ担当]