映画「サガン」

Sagan_2 早熟の天才少女、フランソワーズ・サガン(Françoise Sagan)の波瀾万丈の人生を描いた伝記映画。主演のシルヴィー・テステュー(Sylvie Testud)の演技が見事です。デビューした10代から69歳の最期まで彼女が1人で演じるのですが、表情や雰囲気が似ているだけでなく、栄光の裏にある孤独や退廃を巧みに醸し出していました。彼女の熱演のおかげで思わず引き込まれていってしまうのですが、まるでサガンの一生のように疾走し続ける映画ですので、ある程度の予備知識がないと、途中で展開がわからなくなるかも知れません。

「安心感や落ち着かせるものが大嫌い。精神的にも肉体的にも過剰なものがあると休まる」という、サガンの人生そのものも興味深いのですが、サガンが育った家庭や、彼女を取り巻く人たちのライフスタイルも印象に残りました。サガンから「アメリカでの印税が500万フラン入るけど、どうすればいい?」と訊かれたお父さんが、「お前の歳には多過ぎるから全部使い切ってしまいなさい」と答えたり、カジノのルーレットで当てた800万フランでサラ・ベルナールが滞在したという別荘を買い取り、そこで仲間同士が共同生活をしたり・・・。フランスのブルジョワってこういう感覚なのでしょうか。

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もちろんファッション・アイコンとしてのサガンにも注目です。パールのネックレスやヒョウ柄のコート、マニッシュなシャツやトレンチコート、エスパドリューやレペット風のバレエシューズ。いろいろ魅力的なアイテムが登場しますが、どんなときでも自分のスタイルできめていてステキです。

まわりの人もオシャレです。晩年、同居していたペギー・ロッシュ(Peggy Roche)はファッションモデルからELLE誌の編集者になった人だそうですが、身に付けているアクセサリーはモナド好みのものばかり。彼女のファッションも見逃さないようにしてくださいね。

公式サイト
サガン -悲しみよ こんにちは-SAGAN

[仕入れ担当]