昨日のカッパドキアの熱気球のお話に続き、本日はイスタンブールのシルケジ駅で観たセマー(Sema)についてです。
男性が白い衣装でくるくると回り続ける踊りをTV番組等でご覧になったことがある方も多いと思います。トルコのイスラム神秘主義(スーフィズム)の教団のひとつ「メヴレヴィー教団」の“神と一体化するための宗教儀式”としてユネスコ無形文化遺産に登録されています。このセマー旋舞も今回のトルコ旅行で観たかったもののひとつ。
実は、カッパドキアの次に訪れたコンヤ(Konya)は、13世紀から始まった「メヴレヴィー教団(Mevlevilik)」の総本山がある街。毎週土曜日に文化センターで行われている公演が観られれば良かったのですが、曜日が合わず断念。
下の写真はコンヤの町。右手のミナレットが2本見えている建物がセリミエ・モスク(Selimiye Masjid)、左のドームがメヴラーナ博物館(Mevlana Muzesi)。
ただ、この博物館で得た教団に関する知識が後で役立ちました。下の写真は館内に展示されている棺と墓石です。
セマーを鑑賞したのは、イスタンブールのシルケジ駅(Sirkeci İstasyonu)。ご存知、オリンエント急行の終着駅だったところ。映画「007」シリーズにも登場しますね。
毎晩19時半から公演が行われているということで、チケットを買いにシルケジ駅の専用チケットカウンターへ(上の写真中央左寄りに見えています)。ちなみに支払いは2019年現在、現金のみでした。
昼間のシルケジ駅も情緒があって素敵です。
チケット(下の写真左)には一応、このように席の番号みたいなものが書かれていますが、実際は早い者順です。最前列で観たい場合には少し早めに行って席を確保することをおすすめします。
ショーが始まる前にチャイ(紅茶)が振るまわれます。
天井が高くて、照明も洒落ています。
まずオープニングは楽器の演奏のみ。
続いて、踊り手の男性が入ってきます。
彼らの被っているクラウンの高い帽子は墓石を象徴しています。冒頭のメヴラーナ博物館の写真で、棺の上に並べられている円筒形のものが墓石です。
黒いマントを脱ぐのは、精神的に解放され、より神に近づくため。
5名の男性によるセマーの始まりです。
ひたすらに旋回することで無我の境地に入り、神と一体化するそう。
スカートのような衣装の裾は、宇宙の広がりを表現しているのだとか。
ずっと回り続けているのに倒れたりフラついたりしません。
約1時間の公演。同じ動作の繰り返しですから、これ以上長いと飽きてしまいそうで、時間的にもちょうど良い感じでした。
民族舞踏ではなく宗教儀式であり、写真撮影禁止のところが多いそうですが、こちらは撮影可能です。間近で観られる貴重な経験ですので、イスタンブールを訪れた際にはご覧になってみてください。
[仕入れ担当]

