高畑勲展 東京国立近代美術館

現代日本のアニメーションの礎を築き、常に新しい表現方法を開拓したアニメーションの演出家、高畑勲氏の回顧展を観てきました。

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初めて劇場用長編映画の監督をつとめた1968年制作の「太陽の王子 ホルスの大冒険」にはじまり、上野動物園のランラン・カンカンのパンダ人気にわいた1972年制作の「パンダコパンダ」、日曜の夜が待ち遠しかったテレビ名作シリーズ「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」など懐かしの作品がずらりと並びます。

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大勢のスタッフと作品の世界観を共有するため、キャラクターの性格や作品のテーマを細かくメモし、要点を強調した文章を書き出したり、物語の流れを動と静で色分けした図を制作して感情の起伏を視覚化するなどしたそう。絵を描かない高畑氏の演出術にフォーカスして紹介されています。

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膨大な企画書や絵コンテ、キャラクターデザインなど1000点を超える貴重な資料を展示する会場内、「アルプスの少女ハイジ」の舞台となるアルムの山の美しい背景画や巨大なジオラマ模型も見どころです。

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麓の町にはフランクフルトまで通じる列車が走り、山小屋で暮らすハイジやお祖父さんに会いに行く子ヤギのユキちゃんやペーターもいます。

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共感できる日常をテーマにした物語で、思いやりや感謝の気持ちをわかりやすく伝えてくれる高畑勲のアニメーションの世界。童心にかえって楽しめます。

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高畑勲展
https://takahata-ten.jp/
2019年10月6日(日)まで

[店長]