ヴェルサイユ宮殿監修の「マリー・アントワネット展」を観てきました。宮殿が所有するセーヴル磁器の食器セットやリヨンのブレル社によるランパ織りの布など、確かな審美眼をもつ王妃マリー・アントワネットが愛用した美術品を鑑賞しながら彼女の生涯をたどります。
当初「狩猟の館」として建築されたヴェルサイユ宮殿は、1682年に政府の機能をもつようになり、フランス絶対王政の象徴となります。1770年に14歳で王太子と結婚したマリー・アントワネットは、フランス革命までの約20年ここで過ごしました。
宮殿では、起床の儀をはじめ、装いについてなど堅苦しい作法が多くあったそうです。王家の公開出産は有名な話ですが、長女マリー・テレーズ・シャルロットを出産したときは、室内に多くの貴族たちが押し寄せ、家具の上によじのぼって見物する人もいたとか。お世継ぎ問題など、大きなストレスを抱えていったことは容易に想像できます。
会場では、宮殿の中で唯一プライベートな空間だったという「プチ・アパルトマン」を再現。奇抜なヘアスタイルやモードなファッションで注目されていたマリー・アントワネットの部屋とは思えないほどシックで落ち着いたしつらえです。
居室や浴室でくつろぐ王妃を思い浮かべます。※浴室の展示は、来年1月9日まで18時以降の撮影が可能。
華やかな宮廷生活をうかがえる絵画や家具、マリー・アントワネットの母マリア・テレジアから受け継ぎ、蒐集していたという日本の漆器、1793年10月コンコルド広場で断頭される前に、幽閉されていたタンプル塔で着用していた肌着や靴など、200点あまりの美しい品々は必見です。
マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実
http://www.ntv.co.jp/marie/
2017年2月26日(日)まで
[店長]