個展「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている(a bit like you and me…)」

8月も今週で終わりだというのに、毎日毎日とんでもなく暑いですねぇ。。。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

私は、暑さでボーッとしている頭に刺激を!ということで、先月から横浜美術館で開催されている奈良美智氏の個展「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている(a bit like you and me…)」を観に行ってきました。

Yokohama

同美術館では、2001年の「I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME.」以来の奈良美智氏の個展だそうです。

入り口近くには、彼の「体重計少女<Balance Girl>」が描かれた売店が。

Blance_girl

館内に入ると「White Ghost」という巨大な作品が迎えてくれます。

White_ghost

会場内の最初の展示は彫像作品。巨大な頭部の彫像がドン!ドン!ドンっ!!と置かれていて、圧巻です。

落とし気味の照明のおかげか、神聖な森の中にいるような感じ。「悲しいとき(When You Feel So Sad)」や「ルーシー」の菩薩のような表情に、ちょっと手を合わせたくなります。

個人的に、以前このブログでご紹介した個展「奈良美智セラミック・ワークス」を観てから、彼の立体作品に惹かれているのですが、今回はブロンズ彫刻ということで、作品の物質的な重み以上に、作品が発するオーラのような重みが増しているように感じました。

鑑賞後に美術手帳の特集を読んで知ったのですが、すべての作品が昨年の大震災の後に制作されたものだそう。作者が込めた思いのようなものが、観る人にダイレクトに伝わってくるのかもしれません。

絵画では、奈良氏本人も「力作」と言っている春少女(Miss Spring) 」がなんと言っても素晴らしかったです。パウル・クレー(Paul Klee)を思わせる、光や空気が幾重にも重なり合っているような作風で、作品自体からほのかに体温やふんわり香りまでしてきそうでした。

また、ドラキュラのような牙が片方の口の端からほんの少しのぞいていて、片目だけがちょっと意味深な「夜まで待てない(Can’t Wait ‘til the Night Comes)」も、おもわず作品の前でニンマリしてしまいます。

こんな風に、タイトルの面白さや、ドローイングに寄せられているひねりの利いたメッセージも作品の楽しみのひとつですよね。ちなみに、公式サイトによると、タイトル「君や 僕に ちょっと似ている」は、ビートルズの「Nowhere Man」の歌詞に登場するフレーズから引用しているそうです。

同時開催中の「横浜美術館コレクション展:2012年第2期」でも、奈良美智氏の初期の作品から近作まで数多く展示されていて、その進化を辿ることができますので、こちらもお見逃しなく。奈良美智氏とは関係ありませんが、谷根千の守護神(?)岡倉天心の像もあります。

ミュージアムショップでは、図録の他に、こんなものを見つけて思わず購入しました。チロルチョコのDECOチョコです。

Narachoco

先ほどちょっと触れましたが、美術手帳9月号では奈良美智氏が特集されています。川内倫子さんが撮り下ろした作品の写真が掲載されていたり、今回の個展の作品ができるまでの話から、写真家の荒木経惟氏や現代美術家の村上隆氏との対談と、充実の内容です。特に、村上隆氏との対談は、最高レベルのアーティスト同士の話は実に面白いなぁと感じ入りました。こちらも併せておすすめです。

奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている
会期 2012年7月14日(土)〜 9月23日(日)
会場 横浜美術館
休館日 木曜日
開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで)

展示会公式サイト
http://www.nara2012-13.org/exhibition/

横浜美術館公式サイト
http://www.yaf.or.jp/yma/index.php

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[仕入れ担当]