映画「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち(Crazy Horse)」

Crazy0 クレージーホース(Crazy Horse Paris)やムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)というと、パリ観光の定番という印象がありますが、意外に行ったことがないという方も多いのではないでしょうか。私自身、夜のエンターテーメントは未体験でしたので、ちょうど良い機会だと思って Bunkamura まで出掛けてきました。

フレデリック・ワイズマン(Frederick Wiseman)は数々のドキュメンタリー作品で知られる監督。「パリ・オペラ座のすべて」のほか「BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界」でも舞台芸術の裏側を撮っていますが、今回は、フランスを代表する振付師で、監督の友人でもあるフィリップ・ドゥクフレ(Philippe Decouflé)が、クレージーホースの演出を手掛けた関係で映画化に結びついたそうです。

Crazy4 この映画では、ショーの一部を見せながら、フィリップ・ドゥクフレの演出でショーを組み立てていく過程で、ダンサーと意見が食い違ったり、衣装担当から問題提起されたりといったさまざまな内部事情を描いていきます。クレージーホースのショーは照明技術の高さで有名だそうですが、映画の序盤で映し出される影絵のシーンだけでもその素晴らしさがわかります。

面白いと思ったのは、新しいダンサーのオーディションで、踊りの上手さよりもボディラインを重視すると言い切っていたところ。もちろん、世界中から応募してきたダンサーですから、踊りに自信のある人ばかりなのでしょうが、何はともあれ「お尻の形」なんだそうです。ですからロシア系、イタリア系、スペイン系といったダンサーが中心。先日観たピナ・バウシュのドキュメンタリー映画には日本人のダンサーも登場していましたが、この映画を観る限り、クレージーホースには日本人はいないようです。

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それから、新作「DÉSIRS」のために起用されたという、美術監督のアリ・マフダビ(Ali Mahdavi)。クレージーホースと舞台芸術についてずっと熱く語り続けていて、彼のキャラクターも印象に残りますが、この「DÉSIRS」の歌のヘタウマ具合があまりにもスパイスガールズっぽくて、これまた後々まで耳に残ります。

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ちなみに、現地で観賞すると、シャンパンのハーフボトル付きで125ユーロから、予約無しでバーから観る場合は65ユーロからだそうです。行ってみてもいいかも、と思える料金ですね。ショーの様子はウェブサイトのMULTIMEDIAのページからご覧になれますし、最新の映像はfacebookページにも掲載されています。

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なおこの映画、東京では Bunkamura ル・シネマでの単館上映のためか、平日でも結構混んでいますので、お出掛けの前日までにネット予約した方が良いと思います。

公式サイト
クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち

[仕入れ担当]